今回は、三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社 代表取締役社長 亀岡 直弘氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
略歴:亀岡直弘(かめおか なおひろ)氏
慶應義塾大学 大学院にて修士課程を修了後、2002年4月に三井物産に入社。三井物産や同社関係会社にて資産運用業、証券業等の金融ビジネスに従事する等、入社以来一貫して投資家に価値を提供する仕事を担当。2004年6月、ジャパンオルタナティブ証券株式会社(現三井物産オルタナティブインベストメンツ株式会社)出向。日本ロジスティクスファンド投資法人のプレREITファンドの組成及び機関投資家向けの販売に従事。英国駐在や、不動産私募ファンド及び私募REITの運用会社である三井物産リアルティ・マネジメント株式会社への出向等の後、2016年10月より株式会社かんぽ生命保険へ出向し、不動産ファンド・PEファンド・インフラファンド等への投資を行う投資チームの立上げ及び投資業務に従事。2019年2月より現職。
日本ロジスティックスファンド投資法人の概要
日本ロジスティクスファンド投資法人(以下、「日本ロジ」)は三井物産をメインスポンサーとして2005年に上場した日本初の物流施設特化型REITです。主として首都圏、近畿地域、中部地域及び九州地域に所在する物流施設の取得や保有物件の再開発により、ポートフォリオの資産価値の向上を図り、含み益を増大させることで、安定した収益基盤を構築しています。また保守的な財務運営により業界内でも高い水準の格付を取得する等、強固な財務基盤を有しています。ポートフォリオは、2019年9月12日時点で合計50物件・取得価格総額2,782億円の不動産を運用しています。
直近東証REIT 指数は堅調に推移し2,000ポイントを超える水準で推移しています。2019年のJ-REIT市場は良好なファンダメンタルズに加え、長期金利がマイナス圏で低位安定して推移する中で3~4%の分配金利回りが得られることや、不安定な株式市場と比較してJ-REIT市場が安定的に推移していること等に着目されたと考えます。
世界的な金利低下傾向が続くなか、相対的に見て不動産投資から得られる利回りは底堅く、投資対象として魅力を感じる投資家が増えているのではないでしょうか。また、日本の不動産はリスクフリーレートに対するイールドスプレッドが相対的に厚いことから、割安に感じている海外の投資家からの需要も増加していると思います。
(1)賃貸市況について
賃貸市況については、好調な状況が続いています。その要因は、効率化を目的として自社で行っていた物流業務を外部に委託(3PL:サードパーティロジスティクス)する動きや、アマゾン・楽天に代表されるようなインターネット通販(Eコマース)の拡大によって物流施設の賃貸需要が高まったこと等、物流市場の構造変化によるものです。
従来の実店舗を持つ小売事業者は物流業務を自社で行うことが多かったのではないかと思います。しかしEコマース事業者は物流業務を3PLに委託することが多く、このことが賃貸用物流施設の需要の増加に繋がっていると考えています。小売の売上高の中に占めるEコマースの割合は年々増加しており、日本では現在6%程度となっています。しかし米国では10%近くあることを踏まえると、今後もEコマースは拡大を続けることが期待でき、その結果として賃貸用物流施設に対する需要の伸びも続くことが予想されます。
このような強い賃貸需要に後押しされ、近年では物流施設の開発が速いペースで拡大してきました。従来から物流施設開発を手掛けてきた大手の開発事業者による供給の増加に加え、足元では物流施設を手掛けていなかった国内外の新規の開発事業者の参入も相次いだため、一部エリアにおいては供給過剰懸念も出ていました。しかしこれらの新規供給物件に対してもテナント需要はしっかり追いついており、賃貸用物流施設の市場は拡大を続けています。
なお、物流施設の賃貸借契約は一般的に契約期間が5年程度から長いものでは10年程度までと比較的長く、また賃料も固定である事例が多いため、オフィス・ホテル・住宅等と比較して安定的な賃料収入が期待できます。
(出所)経済産業省及び米国国勢調査局のデータをもとに三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社が作成。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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