今回は、三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社 代表取締役社長 鈴木 靖一氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
略歴:鈴木靖一(すずき せいいち)氏
早稲田大学 大学院にて修士課程を修了後、2000年4月に三井物産に入社。海外駐在や、不動産開発業務を担当した後、複数の不動産ファンド運用会社に出向し、物件取得・売却、開発、運用、ESG推進等の実務に幅広く従事。2016年10月より上場REITの運用会社であるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社に出向の後、2020年4月より不動産私募ファンド及び私募REITの運用会社である三井物産リアルティ・マネジメント株式会社に出向し、同社取締役副社長に就任。2023年8月より現職。
日本ロジスティックスファンド投資法人の概要
日本ロジスティクスファンド投資法人(以下、「日本ロジ」)は三井物産をメインスポンサーとして2005年に上場した日本初の物流施設特化型REITです。2023年10月31日時点で合計52物件・取得価格総額2,905億円の不動産を運用しています。「保有物件の再開発(OBR)」で培ったノウハウを活用した「事業パートナーとの協同開発」や、ソーシングネットワークを活かした「他プレイヤーとの相対取引」等の、多様かつ独自のアプローチによる物件取得により、1口当たり分配金とNAVの安定的な成長を目指します。
現状のREIT市場は、日米の金融政策等の影響を受けてボラタイルな状況が続いており、デットやエクイティの資金調達に関して影響を受けているのが足許の状況と認識しています。今後もマクロ的には金利上昇やインフレなどの外部環境の変化が続いていくと考えています。このような環境下で、日本ロジはこれまでと同様に、長年の運用で培ってきた優位性を生かしつつ、外部環境の変化にも柔軟に対応していくことを目指した「Develop the Value」戦略を推進していくことで1口当たり分配金・NAVの安定的な成長を引き続き達成していきたいと考えています。
物流施設の価格動向に関しては、足元でも引き続き高い水準で取引されており、稼働している物件を市場で買ってくるという単純な取組みでは資本コストには見合わない水準になっています。また都心と地方では動向に差があり、地方はキャップレートの低下が速いスピードで進んでいます。
はい。九州圏が良い例で、過去は賃貸用物流施設の供給が少なかったですが、近年は供給に応じてしっかりと市場が育ってきていると感じています。供給は少しずつ増えているものの潜在的な需要は旺盛であり空室率は引き続き低位です。このように物流施設の賃貸マーケットが地方にも広がっている中で、日本ロジとしても新たに取得対象地域を外延化させて物件の取得機会を増やしていきたいと思っています。
首都圏・中部圏では、物流施設の大量供給で足許の空室率が上がってきている状態ですが、竣工1年以上の物件の空室率については低位です。つまり新築物件を中心に空室率が上がっており、入居を検討する物流施設について、テナント側の選択肢が増えているため、空室の消化に時間を要している状況ではありますが、需要も過去最高レベルで増えていることから時間をかければしっかりと消化されていくマーケットであると認識しています。日本ロジでは中部圏で2件ほど協同開発案件に取り組んでいますが、そちらのプレリーシングも計画通りに進んでいますので実感としてもしっかりとした需要があると認識しています。
2022年は大きな供給もありましたが需要が追い付いていて空室率は低いままです。日本ロジのパイプライン物件である「福岡大刀洗物流センター」は物流の要衝である鳥栖エリア至近に立地している物件で2023年7月末に竣工しましたが、竣工と同時に100%稼働しております。このように九州圏でもテナント需要は旺盛であることを実感しています。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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