今回は、積水ハウス投資顧問株式会社 井上 順一氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
略歴:井上 順一(いのうえ じゅんいち)氏
1989年 積水ハウス株式会社入社、その後積水ハウス・SI アセットマネジメント株式会社(現積水ハウス・アセットマネジメント株式会社)、代表取締役社長を経て、2014年 積水ハウス投資顧問株式会社(2014年当時積水ハウス・リアルティ株式会社)、代表取締役社長(現任)。
まず足許の首都圏のオフィス市況については、東京都心部の空室率が3%前半まで低下していることが示すように企業の底堅い需要を背景に引き続き好調です。
また、2018年からの大量供給の影響については、建替えによる事例も多く、供給床面積の純増幅という面でみると限定的ともみています。さらに今年から来年にかけて供給予定のオフィスビルの成約も比較的順調に進んでいるともみていますので、2019年以降の影響まではまだみえていませんが、今回の大量供給による需給バランス面へのマイナスの影響は供給量の割には比較的小さいのではないかとみています。
東京のオフィス市況における長期的なトレンドとしてオフィス需要が継続的に堅調に推移していますので、オリンピック終了後における需要動向も長い目で見ると引き続き堅調に推移するとみています。
ただ、今回の大量供給をもう少し細かくみると、大量供給の期間が数年にわたるという点で、供給期間の後半に向かって需要の息切れが心配されることや、築浅大規模ビルの希少性が低下する点などの懸念材料も弱含みの材料となり、マイナスに働くと考えています。
そうした一時的な落ち込みもある程度は覚悟することになるかもしれませんが、いずれ回復するのではないかとみています。
大阪オフィス市況も東京圏と同様に空室率の低下が進行し、4%程度と歴史的にみても低い水準に来ていることが特徴的です。
また、東京圏では2018年以降のオフィスの大量供給が予測されていることに対して、大阪オフィス供給は非常に絞られる見込みですので、需要面が堅調という点を加味しますと大阪のオフィス市況は引き続き堅調さを維持するとみています。
大阪オフィス市況で大きな問題だったのは、需要を大幅に上回る大量供給の一時的な集中があり、需給バランスを大きく欠いた時期があったということです。現時点においては、先程のお話の通り、オフィス市況は引き続き好調で今後も堅調に推移する見込みという点においては、供給が少ないということがプラスに働いていると考えられます。
大量供給の影響を長らく受けていましたが、空室率の低下により賃料上昇傾向にあるとみています。今後のさらなる賃料上昇に期待したいですね。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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