今回は、平和不動産アセットマネジメント株式会社 市川 隆也氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
本投資法人は、新規取得のみならず、資産の入替も進めています。繰り返しになりますが、最近は不動産価格が高騰しているため、従来と同様の取り組みでは従来と同じような速度で物件を取得していくことが難しくなってきています。その一方で、この局面においては従来では難しかった取り組みが可能となっています。
本投資法人のポートフォリオの中には、スポンサー交替前の旧クレッシェンド投資法人が、リーマンショック前の不動産価格が非常に高い時期に取得した物件があり、低利回りや鑑定評価額の回復に苦しんでいる物件が存在しています。そのような物件の中には、リノベーション、リーシングの強化・実行などを含め、様々な対応を重ねた結果、利回りが回復した物件も多くありますが、十分に回復しきれていない物件も残っています。このような物件については、売却も視野に入れて活動を行ってきました。現在は不動産価格が高騰しており、含み損を抱えている物件であっても簿価を超える価格で売却することができるようになってきました。そのため、本投資法人は、含み損が発生している低利回りの物件を売却し、売却で得られた資金によって新規物件を取得する、といったポートフォリオの収益性と質の向上を目指した入替戦略を進めています。
本投資法人はこの入替戦略に基づいて第30期から第31期にかけて「渋谷AXヒルズ」と「HF中目黒ビルディング」のオフィス2物件売却し、新たに「アクロス新川ビル」と「千住ミルディスⅡ番館」のオフィス2物件を取得しました。
さらに第31期には「HF博多東レジデンス」と「HF仙台五橋レジデンス」の2物件を新規取得しています。これらを合わせると、第30期~第31期にかけて2物件売却、4物件取得といった活動を行ったことになります。その結果、NOI利回りは、売却した2物件が3.36%に対して入替・新規取得した4物件が4.98%と大きく改善し、今後の分配金の増額が期待できると考えています。
入替以外では平和不動産によって、本投資法人に売却することを視野に入れたレジデンス開発も進めています。第32期の2017年8月25日にはその第一弾である「HF田端レジデンス」を取得する予定です。なお、その前日である8月24日には、含み損が発生して低利回りの「安和司町ビル」を売却し、「安和司町ビル」の売却で得られた資金によって「HF田端レジデンス」を取得する予定です。平和不動産は引き続き開発を進めており、将来の取得物件の候補は今後広がっていくものと考えています。
運用ガイドラインでは地方オフィス、地方レジデンスおよび例外的資産(オフィス、レジデンス以外)の組入上限を30%としています。現状の組入比率が22%程度なので地方への投資余地はまだある状態です。
ただし、本投資法人はテナント需要の厚みがある東京都区部重視という方針を変更する必要性は感じておらず、大きく地方物件の比率を増やすといったことは考えていません。
あくまで、物件ごとに厳密に精査し、ポートフォリオの質と収益性の向上に資するか、投資主価値の向上に繋がるか、という観点で判断します。
8月24日・25日の資産の売却・取得を経た後の資産規模は、100物件・1,663億円となりますが、まずは中期目標としている資産規模2,000億円を目指しています。あと約340億円の物件が必要ですが、不動産価格の高騰の中で外部成長は急がずに慎重に進める方針です。
また、資産規模だけではなく、マーケットからの評価である時価総額も重視しています。グローバル・インデックスへの採用を目標にしていますので、そのためには継続的な収益力の向上、ひいては分配金の安定的な成長が必要という認識です。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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