今回は、平和不動産アセットマネジメント株式会社 市川 隆也氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
本投資法人は「運用資産の着実な成長」と「中長期的な安定収益の確保」を基本理念としていますが、その特徴・強みは二つあると考えています。
一つ目は、ポートフォリオの構成です。
本投資法人は運用対象資産の用途をオフィスとレジデンスに特化した複合型REITです。好況時に賃料収入の増額が期待できるオフィスビルと、景気変動の影響を受けにくく不況時に賃料収入の安定性が確保できるレジデンスを組み合わせており、収益性と安定性の高さを兼ね備えた、非常に良い構成だと考えています。なお、運用ガイドラインにおいて、オフィスビルとレジデンスの投資比率の目標値は50%:50%(取得価格ベース)としています。多数の物件へ投資することにより、用途・棟数・テナントの分散を図り、ポートフォリオの収益変動リスクの極小化を図っています。2017年8月時点では、オフィスビルが31物件、レジデンスが69物件の合計100物件、資産規模は1,663億円となっています。
投資エリアについて見ると、テナント需要が厚く、人口・世帯数の増大が続く東京圏にフォーカスした投資を行っています。また、投資利回りの向上などのため、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡といった、スポンサー企業の平和不動産によるサポートが得られる地方大都市にも厳選投資する方針です。なお、投資エリア別の目標値は東京圏:地方大都市=70:30(取得価格ベース)と考えています。
また、運用対象資産のタイプの特徴ですが、テナント層の厚い中小型オフィスビルと、主に単身者または夫婦2人を入居対象とするシングルタイプ・コンパクトタイプのレジデンスを運用していることが挙げられます。
二つ目は、スポンサー企業である平和不動産がグループで有する不動産の経験とノウハウを全面的に活用して運用していることです。また、平和不動産としても、経営戦略の中核事業として本投資法人の成長支援をコミットしています。
平和不動産グループは、本投資法人に対して外部成長面、内部成長面、財務面のそれぞれにおいてサポートしており、本投資法人の投資主価値の最大化に寄与しています。
外部成長面では、平和不動産による保有・開発物件の供給・パイプラインサポート、取得時期を調整するためのウェアハウジング、物件売買の仲介などの各種機能があります。なお、平和不動産がグループで保有する物件を売却する場合には、本投資法人に優先交渉権が付与されています。
内部成長面では、本投資法人の運用対象資産のプロパティ・マネジメント業務(テナントリーシングや修繕・改修計画等)およびビル・マネジメント業務(清掃や警備、改修工事等)を平和不動産グループに委託し、質の高い運営管理を行っています。
財務面では、平和不動産による本投資法人の資金調達に関する支援に加え、本投資法人の投資口の13.38%を保有するセイムボート出資を受けています。この措置により、本投資法人の投資主の皆様の利益と、スポンサーの利益を共通のものにしています。
2017年8月時点でJ-REITは全58銘柄上場していますが、オフィスとレジデンスという2つの用途を投資対象としているのは、本投資法人を含めて2銘柄しかありませんので、お話しの通り、珍しい部類と言えます。いずれの投資法人も、景気回復・拡大時には収益伸張性を持つオフィスと、景気後退時の収益下方硬直性を持つレジデンスを組み合わせることで、景気変動による収益への影響を少なくし、中長期的に安定した収益を確保しています。前述した通りですが、本投資法人は、オフィスとレジデンスにバランス良く投資することで、中長期的に収益性と安定性の双方を追求する方針です。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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