今回は、スターアジア投資顧問株式会社 加藤 篤志氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
略歴:加藤 篤志(かとう あつし)氏
1989年 野村不動産株式会社入社、太田昭和アーンストアンドヤング株式会社(現 EY税理士法人)、野村證券株式会社等を経て、2015年 スターアジア投資顧問株式会社、代表取締役社長(現任)。
まず前提となるのが世界的な金余りです。確かに最近のFRBやECBは引締め的なスタンスを示していますが、これまで市場に供給されてきた資金が膨大なため、緩和的な金融環境は当面続くと見て言います。
これを背景に、日本の不動産が外国人投資家から見て魅力的な利回り水準にあります。また2020年の東京オリンピックを期待した不動産関連事業への投資活動も継続しています。そのため内外投資家の物件取得意欲は依然として高く、不動産については全般的に需給がタイトな状況が継続すると考えています。
この傾向は地方中核都市にも及んでおり、一定の人口集積が見られる都市においては、少しでも高い利回りを求める投資資金が流入し、東京同様に需給がタイトな状況が継続すると考えられます。
オフィス、住宅、物流施設、ホテル、全てにおいて投資需要が強く、取引キャップレートの低下傾向が続いています。
オフィスは、特に都心5区に所在するオフィスの取得競争は激しく、NOI利回り3%台の取引も珍しくない現状です。賃貸借の需給に関しては、再開発により大規模オフィスの供給が続き、一時は賃料の下落懸念が広がりましたが、企業業績の好調さ等の日本経済の良好な景況感からこの懸念は後退しています。一方、中規模オフィスは、新規供給があまりなく今後も需給が引き締まった状況が継続する見通しです。
住宅も同様に、東京を中心として、その周辺に所存する住宅の取得競争が激しく、NOI 利回り3%台の取引も見受けられます。安定的な収益が獲得できると考えられている賃貸住宅は、個人投資家もマーケット参加者となっており、より需給がタイトになっていると見ています。
物流施設は、近年、Eコマース市場及び3PL市場の成長等を背景に、取引市場もこれに比例して拡大しています。特に東京圏の物件に対する需要は著しく拡大しており、2008~2011年頃のNOI利回り水準は6%以上であったものが、近時では5%台まで下がり、物件によっては4%台にて取引される事例も出てきています。相次ぐ大規模物流施設の開発により、施設内労働力の確保の容易な立地であることといった要因による選別も進みつつある状態です。
ホテルは近年のインバウンド需要の飛躍的な増加、そして政府の掲げる「観光立国」に対する政策期待もあり、活況が続いています。具体的な利回り水準で示しますと、2011年以前はNOI利回りが6%以上であったものが、近時では4%台での取引事例も見受けられます。ホテルの新規開発、民泊等の影響により宿泊需要が分散され、需給が若干緩んでいるエリアも出てきているようですが、全体としては需給がタイトな状況が継続するものと考えられます。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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