今回は、ラサールREITアドバイザーズ株式会社 取締役 財務管理本部長 石田大輔氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
略歴:石田 大輔(いしだ だいすけ)氏
2004年に三井住友銀行に入行、2006年にKPMG FASへ入社し、M&Aや企業再生のアドバイザリー業務に従事。2010年にラサールインベストメントマネージメント(現ラサール不動産投資顧問)に入社、同社にてアクイジション業務に従事し、2015年にラサールREITアドバイザーズに出向するとともに取締役及び財務管理本部長に就任(現任)。
好立地、高スペックな物流施設に留まらず、Bグレード、Bロケーションの物流施設まで私募投資家の需要が強く、取得競争は激しい状況です。
この背景には次の3つの要因があると見ています。
①ECの伸長や多品種小口ロット配送への対応といった産業構造変化により創出される旺盛なテナント需要。
②世界的な低金利環境によって、利回りを求める内外投資家の資金がオフィスや住宅といった伝統的なアセットタイプと比較して利回りが高い物流施設に流入し続けていること。
③日本においてはまだ好立地かつ高スペックな物流施設のストックが少ない上に、物流施設開発事業者は系列REITへの売却を志向するケースが多いため、売買マーケットに放出される物件が他アセットクラスに比べて少ないこと。
上記3点について、変化する兆しも足元では見当たらないため、この取得競争が激しい状況は当面続くものと考えています。
上述の要因に支えられた市況の強さ、そしてそれら要因が近い将来に大きな変動に見舞われるとも考えにくいことから、キャピタルマーケットの影響等により不動産相場自体が下落するような展開を除くと、物流施設のキャップレートのみが上昇に転じるケースは想定しづらい状況です。
一方で、ヒストリカルから見た絶対値の水準感や公募REITが取得できる目線を考えると、これ以上更に大きく下落することも考えにくい状態です。
したがって、キャップレートについてはほぼ横ばいという展開を予想しています。
首都圏では、ボリュームゾーンである国道16号エリアもしくは湾岸エリアは非常に需要が強く、竣工前にテナントが内定するケースも複数見られます。一方で、圏央道エリアは大型物件の空室も埋まってきていますが、相対的に需要が弱い状況です。
関西圏では、湾岸エリアを中心に大量の新規供給があったため、空室率が上昇していましたが、一部物件を除いて湾岸エリア、内陸エリアともに順調にリーシングが進展しており、力強い需要が確認されています。
地域毎の強弱は以上のような状況ですが、これまで物流施設の需要をけん引していた3PL事業者や専業EC事業者に加えて、メーカー等の自社ECサイトや小売業のオムニチャネル対応といった新たな需要が創出されてテナント需要に厚みが出ている状況なので、需給全体としては引き続き堅調な状態です。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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