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マーケットコラム

2007年の不動産ファンド/池島 麻美

2007-01-09

池島 麻美

はじめまして。池島麻美と申します。
現在、私は投資アドバイザーとして、証券会社でのセミナー、投資関係の執筆、雑誌の「女性セブン」では女のチャンス株入門というテーマで連載をさせていただいております。この度こちらでコラムを書かさせていただく事になりました。
私は、不動産投資には興味はあるけれど“何だか難しい、何だかわからないし”と一歩を踏み切れない初心者の方や女性のためにも、もっと身近に不動産投資をわかっていただけるようお話させて頂ければと思っております。これからよろしくお願い致します。

今回のテーマは「2007年の不動産ファンド」
~2007年の不動産投資は堅調な見通し~

●金利上昇懸念はあるが、金利固定化や収益増で対応可能

J-REIT不動産投資信託が2001年から始まり、2006年12銘柄が加わり上場数も40銘柄、時価総額が合計5兆円に達し市場規模も順調に拡大しております。株式市場が約530兆円の市場ですから、これからはもっと証券化できる不動産は増えるだろうと期待しております。
まず不動産投資を取り巻く環境、そして注目したいことが「金利の動向」です。
2006年3月量的緩和の解除に踏み切り、ゼロ金利政策の解除から今後の金利上昇が予想されてきました。
消費者物価指数の市場予測が下回ったことにより、長期金利の上昇懸念の後退から連続利上げの心配はなくなりましたが、レバレッジ効果の高い不動産ファンドにとっては金利の上昇の影響は大きいのです。
不動産ファンドの魅力である利回りの低下が懸念され、他の金融商品へと投資資金が流入するのではないかとの見方もあります。
しかし、借り入れ金利を長期固定化したりレバレッジ効果を抑えたファンドを組成する企業も増えてきました。
金利の上昇というと、経済状況は良好なはず。景気回復や脱デフレからオフィスの入居率も高まり賃料収入の増加も見込めるのです。不動産市場にとって需要の伸びも期待できるはずなのです。

●地価上昇は購入利回り低下に繋がるが、世界的には日本の不動産に割安感も

次に地価の上昇の問題です。
東京、大阪、名古屋ともに3大都市圏の地価は16年ぶりに上昇しております。大多数のREITはこの3大都市の物件を保有しており含み益が出ておりますが、地価が上がる事により新規物件の購入負担が重くなり、利回りが低下する可能性もあるのです。
しかし、東京の不動産を世界的にみると割安感があると言われており、外国人投資家からの買いや海外オイルマネーも流れ込むというということが十分に考えられます。
今後は公的資産の流動化にも注目できます。
国家公務員住宅や郵政公社が保有する郵便局などの流動化により活用されることも考えられ、まだまだ大規模な再開発は続くと考えられるのです。
そしてこれから進むと思われるREITのM&A(合併、買収)問題です。
現在REIT間の物件の取得が激化しております。物件の不足により良い物件を買う事が厳しくなりつつありますが、運用会社を買収する事で物件を取得する事できるのです。そのため割安のREITはM&Aの対象になる可能性が高いのです。
このようにM&Aが活発化することで、更なる不動産市場は盛り上がりを見せると思われます。
以上により2007年の不動産投資は堅調な見通しが考えられます。
資産対象も、オフィス、住宅、ホテル、医療や介護、老人ホームや高齢者住宅など幅も広がり、投資家にとっては選択肢が増えると思われます。それによって2007年はJ-REITや不動産ファンド各社にとって選別されるための特徴や運用の腕が試され、新しい風が到来すると期待したいところです。

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