このページでは、このサイトが定期的に行っている個人投資家の方々に行った過去のアンケートの結果をご覧いただくことができます。

2013年版 J-REIT個人投資家アンケート調査結果

<ハイライト>

  • 回答者の主要層は30~70代の男性。比較的資金力の高い50~60代が過半数を占める。女性の割合は9%だが、昨年から倍増しており、新たな投資家層として潜在価値は高い。
  • J-REITの商品特性として「分配金利回りの高さ」が突出しており、インカムゲインを目的とした商品として既に高く認知されている。
  • 分配金利回りを重要な指標と認識する一方、銘柄選択の基準項目として「投資口価格」が増加した点、売却の理由として「売却益の確定」が最も多い点も指摘できる。インカムゲインを目的としてREIT投資を始めたものの、2013年に入り投資口価格が急上昇したことによって、キャピタルゲインを追求する投資姿勢や投資期間の短期志向へ変化が見られる。投資口価格の騰落の高さが、インカムゲインとしての特性を弱める要素にも繋がっている。
  • 投資未経験者も今後投資したい意向は強いが、銘柄選択が難しい点や少額投資が可能な点から、複数のREITを組入れた投資信託やETFに投資して分散を図る意見も多い。
  • 今後投資するために期待する点は、「1口分配金の安定」よりも「1口分配金の成長」を挙げる。特にオフィスビル系銘柄の分配金水準が未だ低い点から、景気回復により増加する余地が高いと期待される。

<調査目的及び手法>

  1. 調査目的:

    J-REIT(不動産投資信託)市場は、創設して11年半が経過、2013年7月現在41銘柄が上場し、市場全体の時価総額は約6兆円となる。リーマンショック以降低迷したが、合併やスポンサー変更等の再編、日銀の資産買入れ等の政策を経て、投資口市況が安定するとともに、2012年以降8銘柄の新規上場や、既存銘柄の公募増資が続く等、再び成長期へと循環している。2013年に入ると株式相場とともに投資口価格は大幅に上昇し、東証REIT指数が一時1,700超を付ける場面も見られた。REITは不動産の賃貸事業に特化していることから、賃貸需給マーケットの影響を受けるも、賃貸収益を原資とする点、また配当可能利益の90%超を分配する仕組みを持つことから、比較的高く安定した分配金実績を維持している。昨今、資金調達等における制度改正も整い、今後更なる成長が期待される。このように急速に変化する投資環境の中、J-REITポータルサイト「JAPAN-REIT.COM」では、個人投資家がJ-REITの投資環境の変化及び商品性をどう捉えているのか、その実態把握と今後の市場動向予測、また投資家層のさらなる拡大を目的とし、個人投資家を対象にアンケートを実施した。

  2. 調査手法:「JAPAN-REIT.COM」内にアンケートフォームを設置
  3. 調査期間:2013年4月11日~2013年5月10日
  4. 対象:個人投資家
  5. 回答数:433

 

1.回答者の属性(n=433)


性別では、男性が全体の91%と大部分を占めるものの、昨年比5%増と女性の割合が増加している。年齢別では、資金力が高いと想定される50~60代が半数を占め、退職後の資産運用に対する意識の高さが伺える。また70代が昨年より僅かに増加する一方、30代が昨年より4%減少している点から、個人投資家の年齢層が上がっている点が挙げられる。年収別では、500万円~1,000万円のカテゴリが全体の45%を占める。REITの投資経験の有無については、回答者の92%がREIT投資経験を持つ。

 

 

2.J-REITのしくみを理解している?各銘柄の特徴を理解している?(n=433)


REITの仕組みについては、94%と大部分が理解している。銘柄の特徴・違いについても87%と多くが理解しており、REITの運用実績の蓄積やIRの充実の他、2013年に入り投資口市況が好調な中で、新聞や経済誌等多くのメディアにも登場し、その商品性が注目されたと考えられる。一方、銘柄の特徴・違いが理解できていない割合が13%を占める点も指摘できる。銘柄間の比較情報の更なる充実が今後の課題となる。

 

3.J-REIT投資を始めた理由は?(n=投資経験あり400、延べ回答数1,761)


 REIT投資を始めた理由として、分配金利回りの高さが突出して高いことから、インカムゲインとしての特性が高く認知されている。続いて、換金性の高さ、少額の不動産投資を上げる点から、実物不動産の代替投資として評価されていると言える。一方、2013年に入り投資口価格が急上昇した背景から、昨年と比較するとキャピタルゲインを目的とする投資家も増加傾向にある。

 

 

4.銘柄選択の基準は?重要視することは?(n=投資経験あり400、延回答数2,156)


 83%の回答者が「分配金利回り」を挙げており、従来と変わらず分配金利回りの高さが銘柄選択における最も重要な指標として認識されている。次に多い「投資口価格」は、昨年は4番目であった点から見ると、設問3と同様、投資口価格が大きく推移した背景からキャピタルゲインを目的とした投資が増加したことが分かる。そのほか「スポンサー」「1口当たり分配金の安定性」「投資用途」と続くことから、銘柄判別の分かりやすさ、信頼性、安定性の高さを求める傾向が高い。

 

5.現在のJ-REIT投資額は?金融資産全体に占める割合は?(n=投資経験あり400)


一人当たりのREIT投資額は、「100万~500万円」のカテゴリが34%と最も多く、次いで「500万~1,000万円」が21%、「1,000万~2,500万円」が16%と、徐々に多額の投資額へシフトしていく。

一方、REITが金融資産全体に占める割合は「20%未満」が全体の半数を占める点から、REITが分散投資の一つとして捉えられている。

 

6.J-REIT投資運用期間(予定含め)は?(n=投資経験あり400)


 「5年以上」が49%と最も高いものの、昨年の57%から8%減少する一方、「1年以内」が昨年の10%から16%へ増加している。未だ長期投資が多いものの、従来よりも短期志向が増加しており、ここにも投資口価格の変動の高い影響が表れていると言える。

 

7.今後J-REIT投資額を金融資産全体の何%にしたい?(n=投資経験あり400)


 今後J-REITの投資割合は「20%~40%」としたい層が38%と最も高い。また設問5の現在の投資額と比較すると、「20%未満」にしたい層が減少しているのに対し、「40%~60%」にしたい層が増加しており、今後REITへの投資割合を増やしたい意向が強いことが分かる。

 

8.売却しよう(もしくは売却した)とする要因は?(n=投資経験あり400)


売却する要因として「売却益の確定」が突出しており、従来同様に高かった「分配金利回りの低下」を大きく引き離した。当初インカムゲインを目的としながらも、2013年に入り投資口価格が上昇したことにより、キャピタルゲインを追求する姿勢へと変化が見られる。

また次点に「他のREIT銘柄へ乗り換え」が挙がっている。銘柄によって決算期が異なることもあり、インカムゲインを追求しながらも、投資口価格の上昇によりキャピタルゲインを獲得し、より割安感のある銘柄へ乗り換える構図が浮かぶ。一方、「REIT市況の懸念」を挙げる数も増加している点から、急速に上昇した投資口市況を不安視する声も見られる。

 

 

9.投資情報はどこで手に入れる?(n=433)


本アンケートをJAPAN-REITサイト上で行っている経緯もあり、日々の投資情報入手方法として、REIT全銘柄を横断的に取り扱う本サイト「JAPAN-REIT」を参考とする投資家が全体の70%を占める。新規銘柄の上場や投資口価格の活況、日銀の買入れ等によりメディアに登場する機会も増えたことから、「新聞や雑誌」の利用が高い点が顕著になっている。

 

10.J-REITに投資しない理由は?(n=投資経験なし33)


J-REIT未経験の回答者が、投資しない理由として「資金不足」を一番に挙げる。昨年までは「REIT市況の懸念」の割合も高かった点から見ると、REIT市況の懸念材料は薄れたものの、資金不足を理由に投資出来ないと想定される。また次点に、「REIT組入れの投資信託・ETFに投資」「銘柄の違いが分からない」が位置することから、銘柄の違いが分からない理由から、個別銘柄よりも分散投資、少額投資が出来るREIT投信やREIT-ETFを支持する層も存在する。

 

11.今後J-REITに投資したい?(n=投資経験なし33)


J-REIT投資経験がないが、個別銘柄及び投資信託を含め今後REITへ投資したいと考える層は全体の91%と高い割合を占める。そのうち「REIT個別銘柄」が58%である一方、「REIT組入れの投資信託・ETF」が33%と同様に高い数値を示している点が注目される。REIT投信やREIT-ETFの割合が高い点から見て、より分散投資で少額投資の優位性がある一方、手数料面の負担増等の、メリット・デメリットを打ち出す必要性もあると言える。

 

12.J-REIT投資(または追加投資)するために望むことは?(n=433、延べ回答数1,514)


今後J-REIT投資をするために期待する内容として、「1口分配金の成長」が「1口分配金の安定」を上回っており、昨年から逆転している。特にオフィスビル系銘柄の分配金水準が未だ低いことから、アベノミクスによる景気回復期待の表れと捉えられる。次いで「財務の安定性」「投資口価格の安定」と続く点から、成長を期待しつつも、その前提として従来同様に安定性を求める声が多い。

 

13.J-REITに必要だと思う制度はありますか?(n=433、延べ回答数834)


今後REITにおいて必要な制度としては、「投資主割当増資」が他項目を大きく差を付けて支持された。内部留保を持たないREITにおいては、利益の拡大を図るために増資の重要性は益々高まる。増資を円滑に進めるためには、既存投資家の利益を毀損させない配慮を持つ視点が必要と認識される。次点に、「自己投資口の買入消却」「インサイダー取引規制」が挙がっている。これら3項目については、6月に金商法及び投信法の改正が成立し、1年半以内に施行される見通し。

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