2022年11月期(第42期)決算説明資料
今回取り上げるのは、2023年1月18日に開示されたた平和不動産リート投資法人(以下HFR)の42期(2022年11月期)決算説明会資料です。
資産運用会社は、平和不動産株式会社の100%子会社である平和不動産アセットマネジメント株式会社にて、HFRは2005年3月に上場しており、2010年10月にはジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併しております。
HFRは、オフィスビル、レジデンスに投資する。例外的資産として、オフィスビル及びレジデンスの底地に投資することがある。投資地域は、東京23区を中心に東京・神奈川・埼玉・千葉の主要都市、及び仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡等の地方主要都市。
オフィスビル賃貸マーケット
三鬼商事株式会社の最新オフィスビル市況によれば、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスビルの平均空室率は、前期末(2022年5月末)の6.37%から一時上昇基調で推移する時期もあったが、新規供給や縮小等に伴うテナントの解約の動きも見られたものの、大型成約や新築ビルの一部で成約の動きも見られたことから、当期末(2022年11月末)には6.38%と前期末とほぼ同水準で着地した。一方、平均賃料については、2020年8月以降28ヵ月連続で下落となり、前期末の20,319円/坪から当 期末には20,081円/坪となった。2023年にはオフィスの大量供給が見込まれていること、新型コロナウイルス感染症の影響により引き続き賃料調整が続く環境下であることから、弱含んだ状況が続くと見られる。しかし、2021年秋頃から空室率の 増加は収まる傾向も見せており、併せて、テナント側においてはコロナ禍を契機としてオフィス戦略を見直す前向きな動きも増え、テナントの規模縮小、経費節減等を理由とする解約の懸念は縮小しつつあるものと 思われる。本投資法人の運用資産における稼働率は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は収まりを見せており高水準を維持するものと考えている。
レジデンス賃貸マーケット
アットホーム株式会社によれば、2022年11月の全国主要都市(首都圏1都3県、札幌市、仙台市、名古屋市、大阪市、福岡市の10エリア)のマンション平均募集家賃は、東京都下・埼玉県・千葉県・札幌市・名古屋市・大阪市が30㎡以下から70㎡超の全面積帯で前年同月を上回った。また、ファミリー向きマンションは全10エリア中、福岡市を除く9エリアで前年同月を上回り、東京23区・東京都下・神奈川県・札幌市の4エリアは2015年1月以降最高値を更新した。また、2022年11月の「建築着工統計調査報告」によると新設住宅着工戸数(貸家)は、2021年3月以降21ヵ月連続で増加した。前期に引き続き供給は増えているものの、需給動向は安定的に推移し、本投資法人の運用資産における稼働率も各種施策を講じたことで期中において安定的に推移した。今後も都区部の賃貸マンションを中心に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワーク進展などの生活様式の変化が需要に影響を及ぼす可能性が考えられるが、景況悪化による影響は現時点では限定的であり、短期的な運営への影響は軽微と考えている。
不動産市況
2022年9月に発表された2022年7月1日時点の都道府県地価調査における地価については、三大都市圏では全用途平均は2年連続上昇し、上昇率が拡大した。その内訳として、住宅地は横ばいから上昇に転じ、商業地は10年連続で上昇し、上昇率が拡大した。また、地方圏では、全用途平均・住宅地・商業地ともに下落が継続しているものの、下落率はいずれも縮小した。本投資法人が投資対象と考えている地方における政令指定都市についても、住宅地、商業地ともに上昇率が拡大し、上昇傾向が継続している。新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和される中で、全体的に回復傾向が続いているが、今後も不動産市況の動向を注視していく必要があると思われる。
本投資法人は、資産規模の拡大並びにポートフォリオの収益性の改善及び質の向上を目指し、また、財務基盤の強化を目的として、2022年6月に公募増資等を行った。その資金等により、2022年6月3日付でオフィス4物件(Of-50 心斎橋フロントビル(信託受益権、取得価格:73億円円)、Of-51 栄センタービ ル(信託受益権、取得価格:40億円)、Of-52 岩本町ツインビル(信託受益権、取得価格:33.8億円)、Of-53 岩本町ツインサカエビル(信託受益権、取得価格:4億円))及びレジデンス2物件(Re-101 HF川口駅前レジデンス(不動産、取得価格:12.6億円)、Re-102 HF東尾久レジデンス (不動産、取得価格:12.1億円))を取得し、同日付でオフィス1物件(Of-09 グレイスビル泉岳寺前 (信託受益権、取得価格:12.2億円))の準共有持分の50%を売却した。
この結果、当期末時点での運用資産は、オフィス40物件(取得価格の合計:1,066億円)、レジデンス80物件(取得価格の合計:1,067億円)の合計120物件(取得価格の合計:2,133億円)となっている。
本投資法人は、従来から稼働率の維持向上に注力することにより、収益の向上に努めて参ったが、当期においても、空室期間の短縮化に努めたテナントリーシング活動及びテナントニーズや物件毎の特性を踏まえた計画的なバリューアップ投資を行なった。こうした取組みによって物件の競争力の維持向上に努めた成果もあり、全運用資産合計の稼働率は、当期末時点で98.0%となり、前期末時点の97.6%から期中を通じて高稼働で安定的に推移させることができ、期中月末平均稼働率は97.7%と高水準となった。また、環境・省エネルギーへの配慮及び地域社会への貢献等を中心としてESGへの取組みを推進している。
本投資法人は、物件の取得資金等に充当することを目的として、2022年6月1日に公募増資(発行投資口数:55,200口、発行価額の総額:7,362,907千円)及び2022年6月28日に第三者割当増資(発行投資口数: 2,800口、発行価額の総額:373,480千円)による資金調達、2022年6月3日付でタームローン61トランシェA(借入金額:23億円)、タームローン61トランシェB(借入金額:5億円)の借入れを行った。また、2022年6月30日に元本償還期日を迎えた第1回無担保投資法人債(発行残高:10億円)の償還資金に充当するため、2022年6月27日付でタームローン62(借入金額:110億円)の借入 れ、2022年10月31日に元本返済期日を迎えたタームローン24 トランシェC(借入残高:19.2億円)、タームローン25 トランシェC(借入残高:9億円)、タームローン30トランシェA(借入残高:10億円)、タームローン46トランシェA(借入残高:10億円)、タームローン55トランシェA(借入 残高:4.8億円)の返済資金に充当するため、同日付でタームローン63 トランシェA(借入金額:39.2億円)、タームローン63トランシェB(借入金額:9億円)、タームローン64(借入金額:4.8億円)の借入れを行った。これらにより当期末時点の平均借入期間は7.1年、平均残存期間 は3.9年、平均借入金利は0.72%となった。
その結果、当期末時点での有利子負債額は、995億円(期末総資産有利子負債比率:44.94%)となった。
主要指標(決算説明資料より抜粋)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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