2022年1月期(第23期)決算説明資料
今回取り上げるのは、2022年3月17日に開示されたアドバンス・レジデンス投資法人(以下ADR)の23期(2022年1月期)決算説明資料です。
資産運用会社は、伊藤忠商事グループが株主であるADインベストメント・マネジメント株式会社にて、ADRは日本レジデンシャル投資法人と旧アドバンス・レジデンス投資法人が、2010年3月1日付で新設合併し誕生しました。
投資クライテリアと立地
DRは、居住用住宅を投資対象とする住宅特化型J-REIT。東京23区(投資比率70%以上)を中心に、首都圏、政令指定都市等の物件に投資する。住戸タイプはシングルタイプ(50%以下)を中心に、コンパクトタイプ、ファミリータイプ(それぞれ20~40%)、ラージタイプ(10%以下)と分散を図り、20%を上限としてドミトリータイプも保有する。
不動産売買市場
低金利が続く中、国内不動産の利回りは世界的には高く、割安と見る海外投資家の需要が旺盛であったため 不動産価格は引き続き高値圏で推移した。
賃貸住宅市場
今後もテレワーク普及に伴うニーズの変化や東京23区中心部から郊外への移動があることは一定程度想定されるが、その様な状況下においても都心部の賃貸住宅に一定の需要は確認できている。転勤需要を含め東京への人口流入が回復すれば東京の賃貸住宅市場の需給バランスは正常化すると想定しており、需給動向には引き続き留意する必要がある。
- 募集条件緩和で稼働率向上 -
転勤需要の減少により東京への人口流入減少が継続している。これにより、東京23区のシングルタイプを中心に需給が緩んだため、稼働率向上を企図し、募集条件を緩和した。その結果、期中平均稼働率は 96.2%(前年同期比+0.3pt)となった。
一方、都心部を含めファミリータイプについては底堅い需要があり、新規契約賃料においては前年同期以上に引き上げることができた。しかしながら、上記東京23区のシングルタイプを中心とした募集条件の緩和と合わせて最終的に入替時賃料変動率は▲0.6%(前期比▲1.9%)となり、2015年1月期以来7年ぶりにマイナスとなった。
- バリューアップ工事実施による競争力強化を促進 -
本投資法人では、計画的に大規模修繕工事を実施し、保有物件の機能維持・意匠の改善を図っている。加えて、大規模修繕工事を行った物件を中心に、個別住戸についても、設備更新や間取り変更等を伴うバリュー アップ工事をテナント入替時に実施することで、競争力の維持・向上に努めている。
大規模修繕工事は、当期11件(工事金額税込9.47億円)実施した。また、バリューアップ工事については、計34件(工事金額税抜1.42億円)実施することができた。バリューアップ工事を実施した住戸のうち、2022年1月31日までに新たな賃貸借契約が締結された16戸では、 前契約賃料に対して、賃料を平均28.1%引き上げることができ、コロナ禍においても、従前同様、バリューアップ工事が効果的に内部成長に寄与した。本投資法人は、今後もこのような取組みを通じて、物件競争力の更なる強化を進めていく。
当期においては、レジディア国立Ⅱとレジディア西天満の2物件を取得価格合計37億円で取得した。前者は比較的広めのシングルタイプ(1K約29㎡)中心の物件で、鑑定価格比90.3%、NOI利回り4.8%で取得した。後者はファミリータイプ(2LDK約58㎡)中心の物件で鑑定価格比95.5%、NOI利回り5.0%で取得しており、今後専有部内のバリューアップ工事実施により、更なる価値向上を目指す。また、2物件を売却価格合計10億円で売却し売却益合計4億円を計上した。本売却益は安定分配の実現に活用する予定。
当期末現在における保有物件数と資産規模はそれぞれ272物件、4,622億円(取得価格合計)であり、住宅系 J-REIT最大となっている。
当期、コロナ禍においても資金調達状況に変化はなく、総額192億円(平均支払金利0.41%、平均調達年数8.2年)の借入れ等を実施できた。これにより当期末現在の平均支払金利は0.61%となり、前期の0.66%から支払金利の低減を実現した。また、残存年数は4.9年から5.0年に長期化し、財務基盤の一層の強化を図ることができた。
主要指標(決算説明資料より抜粋)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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