FISCO REIT REPORT
平和不動産リート投資法人の投資口価格は、2017年以降おおむね上昇傾向にあったが、2020年3月にはコロナ禍に伴う社会全体の景気・企業業績への不安に伴い、大きく下落した。その後は、コロナ禍対策の進展もあり投資口価格も回復基調にあったが、2022年7月時点ではオミクロン株による感染拡大や利益確定の動きから下落傾向となっている。ただ、長期的には、スポンサー変更発表の2009年10月以降、東証リート指数は横ばい~緩やかな上昇にとどまっているのに対し、同REITの投資口価格は分配金の継続的増加を反映して大きく上昇を続けている。
2022年7月21日現在では、同REITのNAV倍率(1口当たり投資口価格/1口当たり純資産額)は1.08倍と、オフィス・レジデンス複合型REITの平均の0.98倍を上回り、投資家から高い評価を得ている。同REITでは、投資主還元を運用方針の柱の1つに掲げており、潤沢な内部留保の還元、フリーキャッシュの活用、流動性の向上、含み益の顕在化などを目指している。すなわち、潤沢な内部留保を将来の分配金支払い原資として活用する。また、フリーキャッシュを活用し、物件取得や借入金返済に充てることで分配金の巡航水準を向上させる。さらに、流動性向上では、Global Index組入による認知度向上とAA格への格付向上を実現したことで、投資口売買高の増加を目指している。含み益の顕在化では、継続的な資産入替によってポートフォリオの質の改善を行うことで巡航EPUを引き上げ、併せて譲渡物件が保有する含み益を顕在化させることで、分配金の向上及び内部留保の増加を図る。既述のとおり、「NEXT VISON」では中長期目標分配金の3,300円に向けた取り組みを続けている。また、再生可能エネルギー電力の導入割合100%を達成するなど、サステナビリティへの取り組みにも注力している。弊社では、こうした目標の達成に向けた意欲的な取り組みや成果が投資家に理解されるに伴い、同REITの投資口価格は今後も上昇を続け、NAV倍率による投資家の評価もさらに高まると予想する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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