2021年7月期(第19期)決算説明資料
今回取り上げるのは、2021年9月14日に開示されたケネディクス・レジデンシャルネクスト投資法人(以下KDR)の19期(2021年7月期)決算説明資料です。
資産運用会社は、ケネディクス株式会社が100%出資するケネディクス不動産投資顧問株式会社にて、KDRは2012年4月に上場しております。また、2018年3月には、主な投資対象がヘルスケア施設であるジャパン・シニアリビング投資法人を吸収合併消滅法人とする吸収合併をおこないました。
本投資法人の主たる投資対象の一つである居住用施設については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、地方経済圏(政令指定都市を始めとする地方都市をいう。以下同じ。)から東京経済圏への人の流れが減少するとともに、東京経済圏内においても、企業によるテレワークの導入等によりこれまで都心偏重であった居住ニーズがより広範に分散する動きが継続しており、賃貸市場にも変化が生じている。
こうした市場環境の変化を受けて、都心の一部の賃貸住宅では低下した稼働率の回復が遅れているが、その一方で、都心近郊や地方所在の賃貸住宅ではコロナ禍前の水準を上回る稼働状況のものもあり、賃貸住宅市場全般としてはコロナ禍による影響は軽微であり、稼働率は堅調に推移している。一方、賃料の増加については、増加率は減少しているものの、依然として賃料の増加傾向は継続している。
ヘルスケア施設を取り巻く環境については、我が国では、男女とも平均寿命において世界最高水準に達し、これまでどの国も経験したことがない超高齢社会を迎え、総人口に占める高齢者の割合及び高齢者人口が増加する「高齢化」は、今後も続いていくものと予想されている。それに呼応するように、近年においては有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの高齢者向け施設が増加しているが、高齢者向け施設への需要は引き続き増加していくものと、本投資法人は考えている。新型コロナウイルス感染症拡大の状況においても、各施設のオペレーターによる感染防止策を施した安定的な施設運営が継続されている。
宿泊施設については、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした海外からの入国制限や国内での移動制限措置に伴い、宿泊需要が大幅に減少しており、宿泊施設のオペレーターにとっては厳しい運営環境が続いている。今後、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に和らいでいくにつれて、宿泊需要も回復していくことが見込まれるが、コロナ禍以前の状況に戻るには一定の時間を要するものと考えられる。
不動産売買市場については、新型コロナウイルス感染症拡大を機に、当初、一部において不動産投資へ慎重な姿勢を示す投資家もみられたが、国内外での緩和的な金融施策等を背景に、投資家による不動産への投資意欲は回復しており、足もとにおいては活発な取引が行われている。
本投資法人の主な投資対象である賃貸住宅については依然として期待利回りは低水準のままであり、厳しい物件取得環境が続いていくものと考えられる。
本投資法人は、当期において、ポートフォリオ全体の資産構成、将来における収益力等を総合的に勘案した 結果、居住用施設3物件((「KDXレジデンス天王町」取得価格:8.43億円)(「KDXレジデンス川崎」取得価格:9.1億円)(「KDXレジデンス蒲田南Ⅱ」取得価格:7.8億円)取得価格の総額25.33億円)、ヘルスケア施設2物件((「メディカルホームグランダ苦楽園」取得価格:27.09億円)(「リハビリホームグランダ神戸北野」取得価格:17.2億円)取得価格の総額4,429 百万円)合計5物件(取得価格の総額6,963百万円)を取得し、居住用施設1物件「KDXレジデンス千駄ヶ谷」(取得価格6.5億円・譲渡価格11.1億円)を譲渡した。
当期末(2021年7月31日)現在の保有物件は居住用施設が133物件(取得価格の総額2,002.98億円)、ヘルスケア施設が26物件(取得価格の総額541.91億円)、宿泊施設が2物件(取得価格の総額49.6億円)の計161物件(取得価格の総額2,657.62億円)となった。
居住用施設については、地域・立地及び都市、賃料帯、又はテナント層(法人・個人)等の特性を多角的に考慮することにより選定された、保有不動産の運営・管理を手がけるプロパティ・マネジメント会社(以下「PM会社」という。)と連携のうえ、パフォーマンスの安定化・最大化を目指して運用を実施した。更に、各地域に密着した有力不動産会社との連携及びPM会社の効率的なリーシング活動の強化を図った。また、個別物件の特性、稼働状況を踏まえた募集条件の設定、「KDXレジデンス」のブランド力を活かした効率的な広告活動の実施、更にはリーシングエージェントの活用、物件ごとの特性に応じた機動的な営業活動を計画的に行った。
居住用施設の具体的な賃貸事業収入の向上に資する施策として、稼働状況が安定・好調な物件については、テナント入替え時の賃料水準の引上げや礼金の収受、更新時の賃料増額、駐車場契約率の向上、携帯電話用アンテナの新規設置等による建物付帯収入の増加を図るとともに、賃貸事業費用の削減として、共用部照明のLED化並びに付帯契約及び募集経費等の一層の見直しを行い、収支向上を図った。また、運用資産の市場競争力の維持・向上を目的として、計画的な大規模修繕工事を5物件、共用部のリニューアル工事、専有部のバリューアップ工事及び設備の更新等を実施した。
環境への配慮・取組みとして、共用部へのLED照明導入を引き続き実施した。また、外部評価機関による環境認証制度であるDBJ Green Building認証については、当期末(2021年7月31日)時点で計12物件の認証を取得している。
上記の結果、居住用施設の稼働率は当期末(2021年7月31日)時点で96.2%となった。また、当期の居住用施設の期中平均稼働率は、95.9%となっている。
ヘルスケア施設の具体的な賃貸事業収入の維持・向上に資する施策として、オペレーターモニタリングの一環で、各施設に往訪して収支・稼働率を含む施設運営状況の確認、施設管理者等へのヒアリングを実施しているが、新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、当期も往訪は極力控えた。ただし、可能な方法にて施設管理者等へのヒアリングを実施し、オペレーターの事業運営能力や経営の安定性等のモニタリングを行っている。また、修繕工事は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、感染対策を徹底した上で優先順位を考慮して対応した。
上記の結果、ヘルスケア施設の稼働率は期中平均100.0%、当期末(2021年7月31日)時点で100.0%となっている。なお、ポートフォリオ全体の稼働率は当期末(2021年7月31日)時点で97.4%となった。
宿泊施設については、新型コロナウイルス感染拡大により、国内の出張や旅行・宿泊需要の大幅な落ち込みもあり、今後の経済動向を注視しつつ運用を行ってゆく。
新投資口の発行
2021年2月25日に特定資産の取得資金等への充当を目的として、公募増資により42,500口の新投資口の発行を行い、74.02億円の資金を調達した。また、2021年3月9日に特定資産の取得資金等への充当を目的として、第三者割当増資により2,125口の新投資口の発行を行い3.7億円の資金を調達した。これらの結果、当期末(2021年7月31日)現在の出資総額は1,163.22億円となっている。
借入れの状況
当期中に返済期日が到来した借入れの返済資金として87.5億円の借入れを行った。 この結果、当期末(2021年7月31日)現在の借入金残高は1,382.2億円、投資法人債を含めた有利子負債残高は1,469.2億円となり、有利子負債の平均残存年数は4.1年、平均金利は0.93%に、また長期負債比率は84.4%、固定金利比率は98.4%に、総資産有利子負債比率(LTV)は50.1%となっている。
主要指標(決算説明資料より抜粋)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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