2021年3月期(第39期)決算説明会資料
今回取り上げるのは、2021年5月17日に開示されたジャパンリアルエステイト投資法人(以下JRE)の39期(2021年3月期)決算説明会資料です。
JREの資産運用会社は、三菱地所100%子会社であるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社にて、2001年9月上場した最古参のオフィスビル運用に特化した投資法人です。
1.地域に関するポートフォリオ構成
首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)70%以上、その他地方都市30%以下。
2.用途に関するポートフォリオ構成
オフィスビルを対象とし、これに付随する住宅及び商業施設を含む。
3.財務上の指針
LTV65%以下、目途値は30~40%を目安。有利子負債限度額は1兆円。
賃貸オフィス市場においては、新型コロナウイルス感染症を契機に加速したテレワークの浸透を背景に、足元では空室率の上昇傾向がみられる。賃料水準についても小幅ながら低下傾向に転じている。当投資法人においては、このような賃貸マーケット基調を背景にしつつも、ポートフォリオ全体の安定した収益及び稼働率の確保を目指し、戦略的なリーシング活動による新規テナントの誘致、及び物件の付加価値向上による既存テナントの更なる満足度上昇に努めた。目下、好立地・高クオリティのオフィスビルに対する需要が高い状況が続いている一方、働き方の変化等が賃貸オフィス市場に与える影響に関しては、今後も十分注視する必要があると考えている。
不動産売買市場においては、緩和的な金融政策の継続を背景として良好な資金調達環境が継続したことで、物件価格は高値圏を維持した。国内外投資家の物件取得意欲が強い一方、優良なオフィスビルの売出し物件数は限定的であり、取得環境は引き続き厳しい状況にある。
■ワクチン接種のスピードが予想より遅く、今後1年程度は新規需要が限定的。空室率の上昇が続く。
■新型コロナウイルスの終息が一定程度見えてくれば、大手企業を中心に今後の働き方を試すフェーズに入る。当初は返室が先行するが、徐々に立地改善、執務環境改善等の動きが起こる。
■在宅勤務を積極的に活用する企業もあるが、コミュニケーションやイノベーションの観点から、オフィスの勤務を強く志向する企業も多く、働き方の多様化が進む。
■オフィスには、人が集まり交流し、新しいビジネスを生み出す場として、教育や企業文化浸透の場として役割が期待される。
■ビルの環境性能や、健康と快適性に対するテナントの要求がこれまで以上に高くなる。
■今後は徐々にテナントに「選ばれるオフィス」と「選ばれないオフィス」の二極化が進む。
当期中の物件取得・売却はなし。
大塚東池袋ビルディング(東京都豊島区)の信託受益権を60.25億円で譲渡する契約を2021年3月31日に締結した。なお、譲渡日は2021年8月31日を予定している。
上記の結果、当期末(2021年3月31日)において、当投資法人が保有する運用資産はオフィスビル73物件、取得価格の総額10,705億円、テナント総数1,497となった。
賃貸オフィス市場は上記環境にあり、リーシング活動が全般的に停滞した影響を受け、当期末の稼働率は前期末比0.11%減の97.9%となったが、引き続き高い水準の稼働率を維持。また、テナント入替による賃料単価の上昇は継続している。
テナント入れ替え・賃料改定による増減について、月額契約賃料(テナント入替と賃料改定の合計)増減は、空室率の上昇により13期振りにマイナスとなった。
有利子負債に占める長期負債並びに投資法人債の比率の向上のため、第13回無担保投資法人債の発行及びJ-REIT業界初となるサステナビリティ・リンク・ローンによる調達を実施したほか、既存 借入金の返済資金に充当するための借入を実施した。
このような取り組みの結果、2021年3月31日現在の有利子負債残高は前期末比5億円増の4,194億円 となり、内、長期借入金は3,585億円(1年内返済予定の長期借入金517億円を含む。)、短期借入金は180億円、投資法人債は429億円となった。総資産に占める有利子負債の比率は41.9%となっている。
主要指標(決算説明資料より抜粋)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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