2019年5月期(第35期)決算説明会資料
今回取り上げるのは、2019年7月18日に開示された平和不動産リート投資法人(以下HFR)の35期(2019年5月期)決算説明会資料です。
資産運用会社は、平和不動産株式会社の100%子会社である平和不動産アセットマネジメント株式会社にて、HFRは2005年3月に上場しており、2010年10月にはジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併しております。
投資クライテリアと立地
HFRは、オフィスビル、レジデンスに投資する。例外的資産として、オフィスビル及びレジデンスの底地に投資することがある。投資地域は、東京23区を中心に東京・神奈川・埼玉・千葉の主要都市、及び仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡等の地方主要都市。
1.投資環境
2019年3月に発表された2019年1月1日時点の地価公示価格においては、三大都市圏平均では住宅地、商業地ともに各圏域で上昇が継続し、上昇基調を強めている。その内訳をみると、住宅地は東京圏、名古屋圏において、景況感の改善が続く中、6年連続の上昇となり、大阪圏も2年連続の上昇となった。商業地は東京圏、大阪圏、名古屋圏ともに6年連続の上昇となり、今年度も上昇基調を強めた。住宅地については、雇用・所得環境の改善が続く中、低金利環境の継続等により需要の下支え効果もあり、交通利便性や住環境の優れた地域を中心に住宅需要が堅調である。商業地は良好な資金調達環境の下、主要都市の中心部ではオフィスの空室率低下傾向、外国人観光客の増加による店舗やホテル需要の高まり、再開発事業等の進展による繁華性の向上等で需要が強まったこと等が主な上昇要因と考えられる。一方地方圏については、住宅地が1992年以来27年ぶりに上昇に転じ、商業地も1993年から続いた下落が横ばいとなった。
オフィスビル賃貸マーケットについては、三鬼商事株式会社の最新オフィスビル市況によれば、都心5区のオフィスビルの平均空室率は、大型成約の動きが少なかったものの、解約の影響も小規模に止まったことから、東京ビジネス地区全体の空室面積は小幅に減少し、前期末の1.98%から当期末には1.64%と期中を通じて低下傾向が続いている。オフィスビルの賃貸マーケットは、景況感の改善による企業のオフィス需要の増加により堅調に推移している。平均賃料に関しても前期末の20,743円/坪から当期末は21,396円/坪と、賃料相場も20,000円/坪を上回る水準で推移している。
レジデンス賃貸マーケットについては、アットホーム株式会社によれば、2019年5月の首都圏中古マンション成約賃料指数は、前年同月比0.2ポイント下落したが、引続き首都圏への継続的な人口流入超過や小世帯層の増加傾向により賃貸住宅への需要は堅調に推移している。新設住宅着工戸数(貸家)は、同年5月の「建築着工統計調査報告」によると前年同月比9カ月連続で減少しており、前期に引き続き供給の増加は落ち着き、レジデンスの賃貸マーケットの需給動向は底堅く推移した。HFRの運用資産においても稼働率は期中を通じて高水準に推移し、賃料水準も上昇の傾向を示す物件数が増加する等、賃料水準は改善しつつある。その先行きについては、レジデンスの特性ともいえる安定的な推移を示すものと予想される。
2. 外部成長
35期の物件異動は、2018年12月に「浜町平和ビル」(取得価格31億円)、「三田レジデンスⅡ」(取得価格12.1億円)、「HF門前仲町レジデンス」(取得価格9.45億円)、「HF南砂町レジデンス」(取得価格9億円)の新規4物件を取得。同時に「平和三田ビル(底地準共有持分50%)」(売却価格82.5億円)を譲渡。その結果、当期末時点の保有資産合計は104物件(取得価格合計1,731億円)となった。
3. 内部成長
①オフィス
期中平均稼働率は、99.5%と前期の94.42%から改善。新規契約賃料は面積ベースで減額テナントが増え、過去4期において最低の水準。増額テナントの平均改定率は+14.8%となっているものの、前々期(19.73%)前期(+20.55%)から減少。既存テナントの賃料改定状況に関しては、31期以降減額改定はなく引続き成長がみられるものの、分配金への寄与額は7.7円/口と前々期(9.4円/口)前期(13.0円/口)に比較し減少しており鈍化の兆しが感じられる。
②レジデンス
月次稼働率は2012年5月以降、14期間にわたって95%を超える水準を維持しており、当期の期中平均稼働率は97.20%と過去最高を更新。賃料単価の高い東京都心部でのリーシングが好調で、ポートフォリオの収益拡大に貢献。新規契約賃料の改定幅は、+2.02%と過去最高値を更新、更新時賃料も+0.54%と継続的な改善基調は維持しているものの、前期の+0.65%からは減少。礼金取得戸数は300戸超に拡大し、稼働率が上昇する中で、礼金取得率や更新料取得月数が高い水準を維持しているため、一時金収入は継続的に拡大。
4.ファイナンスの状況
調達コストは0.863%と引続き低水準を維持。2019年4月にJCR格付は、「A」から「A+」に1ノッチ向上。コミットメントラインは60億円を継続。
主要指標(決算説明資料より抜粋)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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