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2017年06月19日

インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人、J-REIT初の自己投資口取得実施

6月12日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

6月12日、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人がJ-REITとしては初の自己投資口取得を実施すると発表した。
J-REITの自己投資口取得は、株式会社でいえば自社株買いに当たる制度で、かつては「投資信託及び投資法人に関する法律」(以下、投信法)において実質的な禁止状態に置かれていたが、2013年6月の同法改正と2014年12月1日の改正投信法施行によって解禁された。
自己投資口取得による一投資口あたりの投資指標の改善、市場に対する投資口価格の割安感の発信、手元資金の株主への還元といった効果は株式会社の自社株買いと共通だが、株式会社は取得した自己株式を企業買収やストック・オプション等に活用できる一方、J-REITは取得した自己投資口を消却するしかないといった相違点もある。
今回のインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人の発表によると、取得する自己投資口数の上限はは1万口(2017年4月期末発行済投資口数の約1.23%)、取得価額の上限は8億円(同期現金及び預金の約20%)。2017年6月13日から7月20日にかけて取得し、取得した自己投資口は今期内に消却する。同投資法人が示した見込では、この自己投資口取得により今期(2017年10月期)の一口当たり分配金額は当初予想より29円(約1%)増の2908円になるという。
気になる市場の反応だが、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人の投資口価格推移を確認すると、12日の終値100,700円(自己投資口取得発表は引け後になされた)から、15日にSMBC日興証券が自己投資口取得等を評価して目標株価を引き上げたこともあり、16日終値で103,900円まで上昇した。これを見ると今回の自己投資口取得は概ね市場から好意的に受け止められたようだ。
J-REITの投資主還元策は、物件取得による収益拡大を通じた分配金増額というのが王道だが、物件取得競争が激しさを増す中、外部成長ではなく自己投資口取得に資金を回して投資主還元を図る動きがどこまで広まるか今後に注目したい。

6月16日、日銀から金政策決定会合の結果が発表された(会合自体は15日から16日にかけて開催)。
内容を見ると、景気は現在の緩やかな拡大傾向が続くとし、今後も消費者物価指数の対前年比上昇率が安定的に2%を超えるまで必要な政策の調整を行う旨が謳われている。
J-REITに関連するものとしては、長期金利(10年国債金利)がゼロ程度で推移するよう長期債の買入を行うこと、そして日銀のJ-REIT年間買入枠約900億円維持が引き続き明記されており、総じてこれまでの会合結果を踏襲した内容といえよう。

物件動向

6月12日週の物件動向だが、主だったものとして以下の1件があった。

a.兵庫県川辺郡:「プロロジス猪名川プロジェクト」
6月16日、猪名川町が産業拠点と位置付ける町有地約44.5ヘクタールの開発について、優先交渉事業者となっていたプロロジスが当該土地の造成開始を発表した。
当該土地は2017年秋に開通を予定している新名神高速道「川西IC」に近く、近畿のみならず中国地方も含めた西日本への交通アクセスに便利な立地である。そこにプロロジスは今後マルチテナント型物流施設1棟、BTS型物流施設4棟を開発する。5棟を合わせた延床面積は約26万㎡に及び、プロロジスの国内開発実績としては最大規模になるという。
開発地の造成工事は2019年11月末に完了し、2021年夏までには第1棟目の物流施設が竣工する予定。
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決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
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