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2016年09月23日

「国際総合物流展2016」レポート 2/3

2016年9月13日(火)~9月16日(金)開催

1日目:野村不動産ホールディングス株式会社

1日目の9月13日にセミナーを行ったのは野村不動産です。
物流施設以外にもオフィスやマンション等の開発・運営も手掛ける総合デベロッパーにして、野村不動産マスターファンド投資法人のスポンサーでもある野村不動産のセミナーのテーマは「Landportの事業戦略」。
そもそも「Landport」とは、立地、仕様、作業環境にこだわって開発した大規模高機能型物流施設に野村不動産が設定したブランドです。そのブランドを冠した物流施設は現在15件(稼働中11件、開発中2件、計画段階のものが2件)。そのうち7件が野村不動産マスターファンド投資法人のポートフォリオに組み込まれています。
セミナーでは、そんなLandport物件の今後の展開について、物流不動産市場の現状も取り混ぜながら説明を頂きました。 そこで印象に残ったのが以下の点です。

  1. 物流施設の供給面積は過去10年に東京圏で2倍、大阪圏で5倍の規模に成長した。もはや「施設を作っただけでテナントが入ってくれる」時期は過ぎ去った。
  2. 人手不足と人件費の上昇が厳しい状況にあり、物流施設はより安くより多い人手を求めて海側から内陸部にシフトしている。
  3. Landportの強みは、有力シンクタンク野村総合研究所との協力で荷主企業との密接なコミュニケーション、課題の明確化と施設への反映が行える点にある。
  4. Landportは現在東京圏、大阪圏、名古屋圏に展開しているが、今後は福岡や札幌、さらにはアジアを中心とした海外にも進出する予定。
  5. Landportの開発は、冷凍・冷蔵への対応といった多機能化を進めながら、年4~6棟のペースで進めていく予定。

こうした野村不動産の開発方針からすると、野村不動産マスターファンド投資法人の物流施設パイプラインは、地域や機能性の多様化を伴いながら着実に増強が進んでいくとみられます。

2日目:大和ハウス工業株式会社

2日目の9月14日にセミナーを行ったのは、大和ハウス工業です。
最近合併を行った大和ハウスリート投資法人のスポンサーである大和ハウス工業ですが、2015年度の連結業績を見ると、物流施設を中心とした事業施設事業が売上高約3.2兆円のうち20%超の約7,400億円、営業利益約2,400億円のうち28%弱の680億円をそれぞれ占めています。
そんな大和ハウス工業のセミナー「大和ハウス工業における物流施設開発およびその展開方針」で印象に残ったのが、以下の点です。

  1. 千葉県流山市で開発を進めている「DPL流山I」の敷地は、日本で初めて農地転用許可(第1種農地)を取得して物流施設開発に利用した案件。
  2. 地方自治体も第2次産業に代わる雇用創出の場として大規模物流施設に注目するようになってきた。
  3. 第4次中期経営計画では総額約5,400憶円の不動産投資を行い、うち物流施設を中心とする事業施設には約3,200億円(全体の約59%)を投資した。第5次中期経営計画の不動産投資額は7,000億円を計画しているが、引き続き事業施設には積極的に投資していく。
  4. 海外での物流施設開発はベトナム、タイ、インドネシアで進行中。

日本の人口動態、産業別の人口推移を見ると、今後も多くの農地が耕し手を失って遊休地化していく中で大和ハウス工業が「DPL流山I」の開発で得た農地転用許可取得のノウハウは、遊休地化した農地をビジネスチャンスに変える際の強みになりそうです。

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