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特集!インフラ投資法人「東京インフラ・エネルギー投資法人」インタビュー
今回は、東京インフラアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 杉本啓二氏にインフラファンド市場とファンドの特長に関してインタビュー形式でお話していただきました。
第二部 東京インフラ・エネルギー投資法人について
――東京インフラ・エネルギー投資法人の強み、特色をお話し下さい。
強みや特色という点では、スポンサー構成を挙げることができます。
まず、メインスポンサーであるアドバンテックグループは、発電所の設計、施工、運営・管理まで一貫して行うことができます。更に、サブスポンサーとして、あいおいニッセイ同和損保からは、各種事業リスクに備えた最適な保険商品の提供を受けており、NECネッツエスアイからは、発電所の管理・監視に欠かせないネットワーク技術等のサポートを受けています。
また、スポンサーではないのですが、サポート企業という位置付けで、JFEテクノスからメンテナンスについて、三菱UFJフィナンシャル・グループのMULエナジーインベストメントからは投資法人運営や財務戦略等の幅広いアドバイスを受けています。こうした多様な強みを持った企業陣に支えられて運用を行っていけることが、我々の強み・特色です。
――今後の外部成長について、戦略や方針、資産規模目標についてお聞かせください。
外部成長については、2023年に資産規模1,000億円超を目指して発電所の取得を進めていく考えです。資産規模1,000億円の内訳としては、800億円が太陽光発電所、150億円がその他の再生可能エネルギー資産、50億円が海外資産という構成を想定しています。 パイプラインとして、メインスポンサーが保有・開発中の太陽光発電所資産が700億円ほど有り、外部からの取得も含めて、現実的な資産規模とその構成割合だと考えています。勿論、可能であれば、資産規模1,000億円という目標に縛られず、証券市場の動向も見ながら、積極的に更なる拡大を図っていきたいですね。
――太陽光発電以外の再生可能エネルギー発電所、そして海外発電設備の取得について、現時点での動きを差支えない範囲でお話しください。
風力発電については、稼働済み発電所の一部取得に向けたアプローチを2社に対して開始しています。
バイオマス発電については、燃料の自給または安定調達を確立できれば、十分に投資に見合うリターンが生まれますので、木材関連の大手企業や林業団体に事業協力に向けた提案等を行ってまいります。
海外発電設備については、前提条件として、送電網が充実している地域での取得を考えています。具体的に国名を挙げていくと、米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドといったOECD加盟国が対象になると思います。新興国の中では、比較的インフラの整っているタイやマレーシアにも関心を持っています。
――保有発電所の維持・管理に関する取組みについてお話し下さい。
24時間365日の監視体制を構築しており、発電所で何か問題が発生すれば、電気主任技術者が現場に直行して原因を特定し、OM業者や機器メーカーと連絡を取って発電不能期間を最小限に抑えられるようになっています。
また、問題の発生を予防することにも力を入れており、法律上は年1回の点検でよい場合でも、年2回~4回の点検を行っています。このように問題の予防や対応を重視した結果、投資額の10%程度を維持修繕費用等に充当しています。短期的な投資家の目には我々の発電所維持・管理方針が高コストに映るかもしれませんが、私たちは長期保有の投資家が投資リターンを最大限享受できるように発電所を維持・管理していきたいと考えています。