REIT注目記事
スターアジア不動産投資法人
FISCO REIT REPORT
スターアジア Research Memo(4):第1期は段階的に資産規模を拡大し基盤確立(合計614億円取得)
――業績動向
1. 2016 年7月期(第1期)の業績動向
スターアジア不動産投資法人の2016 年7月期(第1期)の営業収益は1,859百万円、営業利益1,147百万円、経常利益335百万円、当期純利益333百万円と上場を含む第1期が滑り出した。2016年1月に11物件(取得価格合計437億40百万円、オフィス3物件、住宅3物件、物流施設3物件及びホテル2物件)を取得して運用を開始し、同年4月の上場を機に7物件(取得価格合計177億53百万円、オフィス5物件及び住宅2物件)を追加取得した。第1期は2段階での物件取得を行ったこともあり、また上場関連の費用負担(主に営業外費用)もあったため、経常利益が抑えられた。2016年7月期末の運用資産は18物件、取得価格合計は614億93百万円と一定の資産規模を達成し、稼働率(賃料収入のある物件の比率)は95.9%と上々の成果を挙げた。
スターアジア Research Memo(5):第2期、第3期と順調に利益成長、巡航分配へ
2. 2017年1月期(第2期)及び2017年7月期(第3期)の業績予想
スターアジア不動産投資法人の2017年1月期(第2期)は、営業収益1,987百万円(前期比128百万円増)、営業利益1,169百万円(同21百万円増)、経常利益1,051百万円(同715百万円増)、当期純利益1,050百万円(同716百万円増)、1口当たり分配金は3,046円(同2,078円増)と同REITは予想する。
2017年7月期(第3期)は、保有資産に係る固定資産税及び都市計画税が費用化されるため、第1期決算発表時に公表した第3期の業績を巡航の状況としていたが、2016年12月5日に物件の入替え(保有する1物件の譲渡及び新規の1物件の取得決定)を公表し、譲渡によって売却益を獲得できる見込みから、第3期の業績を上方修正した。物件の入替えは、ポートフォリオの強化、保有資産の譲渡による含み益の具現化及び保有資産の評価の顕在化を狙ったものであり、これにより上方修正された予想値は、営業収益2,167百万円(第2期比180百万円増)、営業利益1,202百万円(同33百万円増)、経常利益1,076百万円(同25百万円増)、当期純利益1,075百万円(同25百万円増)となり、第2期をさらに上回る。同REITの業績予想によれば、修正前の予想1口当たり分配金2,726円に対して、新規物件の取得による分配金の押し上げ効果は12円、売却益の寄与は382円となっており、第3期の1口当たり分配金を3,120円と予想している。
2016年12月5日に公表された物件の入れ替えの概要は以下の通りである。
【譲渡予定資産】
名称:アーバンパーク代々木公園
譲渡予定価格:1,100百万円(取得価格:875百万円)
【取得予定資産】
名称:アーバンパーク護国寺(旧名称:ジョイテル護国寺)
取得予定価格:1,460百万円(優先交渉契約における最低購入価格:1,460百万円)
また、オフィスポートフォリオにおけるレントギャップの解消、管理運営コストの削減などにより1口当たり分配金の一層の上昇が期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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