大和ハウスリート投資法人の上場/REITアナリスト 山崎成人
昨年10月の産業ファンド投資法人の上場から、しばらく新規上場が途絶えていましたが、半年振りに新たな銘柄の上場予定(6/19東証上場予定)が発表されました。
上場を発表したのは大和ハウスリート投資法人、設立オリジネーターは大和ハウス工業(株)1社です。
大和ハウスリートの詳細把握は未だですが、この時期に上場してきた事は、それなりの覚悟を持った上だと思います。
オリジネーターの大和ハウスは、同じJ-REITの「ビ・ライフ投資法人」のオリジネーターにも名前を連ねていますから、J-REITの動きは理解しているはずですし、私のJ-REITセミナーにも頻繁に顔を出していましたから、J-REITの実情と難しさはある程度分かっているものと思われます。
この投資法人は、商業施設と物流施設を中心にして他の用途にも投資する総合型を目指しているようですが、上場済み42銘柄の中で総合型の体裁を持っているのはユナイテッド・アーバン投資法人だけだとも言えます。
総合型銘柄の場合、保有資産の質は専門銘柄に比べると見劣りするのが通例ですが、大和ハウスには商業施設専門の大和リース(旧名称;大和商工リース)を傘下に抱えていますので、果たして商業施設にどのような物件を組み入れてくるのかは注目です。
そして、総合型銘柄の特徴とメリットをどのように投資家に訴えるのかということも、この難しい時期のIPOを左右しますので、スタート時の評価がその後を大きく左右します。
私事ですが、大和ハウスがJ-REIT進出を目指して準備室を設置した頃に、私がかつて新卒で入った会社の先輩がその準備室近くに在籍していたため、その先輩を通じて動きを知りました。
お世話になった先輩が居る事で、実現こそしませんでしたが私も多少なりともアドバイスをしようかと考えたのは、こういう時期の上場であれば、私の辛口評価も参考になるだろうとの思惑からです。
また、これから上場してくる投資法人には、過去の上場失敗の轍を踏んで貰いたくはありません。
私は当初からJ-REITは50銘柄程度と予想しており、そろそろ上限に達しますので、これからは少数精鋭主義で新規上場を目指して欲しいと願っています。
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