大手ゼネコンの中間決算発表/池島 麻美
肌寒い時期になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
2007年9月の中間決算が出そろう時期になりました(11月末現在)。今回はゼネコンの決算について書かせていただこうと思います。
2007年9月中間決算は、建設事業の利益率の落ち込みを不動産開発事業で補うということが顕著に表れました。2008年3月期もこの傾向は続くと見られております。
大型工事の損失が大きい鹿島建設(1812)と大型開発プロジェクトの売却益のある清水建設(1803)は、不動産開発部門の営業利益が建設部門の営業利益を上回ります。
大成建設(1801)は開発事業等で総利益は50億円ほど増えておりますが、建設事業は初期予想に比べて140億円ほど減少しております。
これらの理由としていくつか言われていることとしまして
・首都圏の優良物件が減っていること
大阪・梅田辺りの再開発に投資をしている大林組、東京の武蔵小杉近辺や八重洲口など大型プロジェクトは続いてはおりますが、首都圏の優良な大型案件は落ち着いたのではないかと言われております。
また、地価の上昇により投資案件が少なくなっていることで、投資案件を慎重に選ばざるをえなくなっているとのことです。
・脱談合で利益率低下
2005年の脱談合宣言で低価格競争に陥っている建設業界です。企業の設備投資が増えたことで工事量は増加傾向ということですが、価格競争と資材の高騰で利益率が低迷している状態です。
よって現在はまだ開発事業で利益が見込めるのでこの期間に本業である建設事業の立て直しを急がなければいけないのでしょう。
ゼネコン系の厳しい企業に対して再編やM&Aの声も聞こえます。建設事業の立て直しが重要になると思われます。
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