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決算情報拾い読み ジャパンエクセレント投資法人
2022年6月期(第32期)決算説明資料
今回取り上げるのは、2022年8月18日に開示されたジャパンエクセレント投資法人(以下JEI)の32期(2022年6月期)決算短信・決算説明会資料です。
資産運用会社は、日鉄興和不動産(出資比率54%)、第一生命株式会社(出資比率26%)が出資するジャパンエクセレントアセットマネジメント株式会社にて、JEIは2006年6月に上場しております。
ポートフォリオ投資方針等
ポートフォリオ運用基準(決算説明会資料より抜粋)
<用途比率>
<エリア比率>
第32期のトピックス
1.投資環境
不動産売買市場においては、日銀の金融緩和政策維持を背景に良好な資金調達環境が継続したことや、内外金利差の維持・拡大、為替の円安の進行等から、国内外の投資家の取得意欲は旺盛であり、優良な物件売 却案件は激しい競合状態になるなど、引き続き厳しい取得環境が継続している。
オフィスビルの賃貸市場は、2020年以降、コロナ禍によるテレワークの拡大や固定費削減・効率化等を目的とする減床・集約化等により、空室率上昇・賃料低下の圧力が強く働き市況が悪化しており、足許ではアフターコロナを見据えたオフィス需要が徐々に戻りつつあるものの、賃料水準は下げ止まっていない状況。また、空室率は、都心5区において2021年12月末時点の6.3%から一進一退が続いており、2022年6月末時点で6.4%となった(三鬼商事株式会社公表)。
2. 外部成長
2022年5月にアークヒルズフロントタワーを裏付け資産とする匿名組合出資 持分(49%:取得価格52.3億円)を取得した。
当期末における本投資法人の全保有運用資産は35件、取得価格総額は2,819億円、総賃貸可能面積は335,534.27㎡(101,499.12坪)となった。
3. 内部成長(決算説明会資料より抜粋)
■年明け後のオミクロン株の影響によるリーシング活動の立ち上がりの遅れ
■大口テナントとの契約の期ずれを主因に、稼働率は計画を下振れ
■賃料改定については、テナントの業況等を総合的に勘案して柔軟に対応した結果、増減額ともに計画比良好な着地
4. 資金調達の概要
当期は、資本効率、中長期的視点からの投資主価値の向上の観点から、手元資金20億円を活用した自己投資口の取得・消却を行った。また、返済期限が到来した長期借入金については、1月に30億円を借入期間5年、6月に20億円を借入期間9年の長期借入金にて借換えを実施した。
これらの結果、当期末における有利子負債平均残存期間は4.1年(前期末比0.3年短期化)、期末平均有利子負債金利は0.72%(前期末比0.01ポイント低下)、総資産有利子負債比率(総資産 LTV)は自己投資口の消却により43.1%(前期末比0.4ポイント上昇)となった。
主要指標(決算説明資料より抜粋)