REIT注目記事

2022年04月20日

決算情報拾い読み 野村不動産マスターファンド投資法人

2022年2月期(第13期)決算説明資料

今回取り上げるのは、2022年4月19日に開示された野村不動産マスターファンド投資法人(以下NMF)の13期(2022年2月期)決算説明資料です。
資産運用会社は、野村不動産株式会社の100%子会社である野村不動産投資顧問株式会社にて、NMFは2015年10月に上場しています。

 

ポートフォリオ投資方針等

投資クライテリアと立地

物流施設、商業施設、オフィス、居住用施設その他様々な用途の施設(不動産を除く不動産等及び不動産対応証券の裏付けとなる不動産を含む。)に投資する。三大都市圏(首都圏、中京圏及び近畿圏)を中心として政令指定都市を含むその他 主要都市又はその周辺地域を主たる投資対象地域とし、地域的分散は、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)を75%以上、中京圏(愛知県、岐阜県、三重県)、近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)その他の都市を25%以下とする。

 

第13期のトピックス

1.投資環境

(不動産賃貸マーケット)
当期の不動産賃貸マーケットについては、前期同様セクター毎に状況が異なっている。 オフィスセクターは、東京都においては2020年後半以降、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う景気後退不安やテレワークの拡大を受けたオフィス需要の減退に伴い空室率の上昇が見られたが、足元の空室率は小幅ながら下落に転じた。一方で、新規需要は持ち直しの動きも見られるものの、コロナ禍以前と比較すると未だ限定的であるため、募集賃料の低下は継続している。地方都市においては一部で空室率の上昇が見られたものの、東京に比べテレワークの実施率が低いことなどにより概して空室率の上昇や募集賃料の低下は緩やかとなった。

商業施設セクターは、小売業についてはスーパーマーケットやドラッグストアを中心に底堅い動きが継続しているものの、新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出を受けて飲食業を中心に売上が厳しい状況が続いた。

物流施設セクターは、主要テナントであるサード・パーティー・ロジスティクス(3PL)や、eコマース関連事業者の需要が引き続き強い状況が継続している。首都圏では旺盛な需要が見られるものの物流施設の大量供給により空室率は僅かながら上昇した。一方、近畿圏では供給が少なく空室率は低い水準を保った。

賃貸住宅セクターは、テレワークの普及に伴う転出者の増加や雇用環境の変化に伴う転入者の減少の影響から、都心部・シングルタイプを中心に賃貸需要が弱含む傾向が継続する一方、2020年7月以降転出超過の傾向が 継続していた東京都の人口動態は、2022年1月は転入超過に転じており、足元では緩やかながら賃貸需要の回復が見られている。

ホテルセクターは、新型コロナウイルス感染症の落ち着きにより一時回復傾向にあったが、感染の再拡大に伴い再び厳しい状況となった。

(不動産売買マーケット)
2021年の商業用不動産の売買高は前年比で微増となった。コロナ禍で業績が悪化した企業や資産の効率化を図りたい企業による売却事例が見られる一方で、引き続き海外投資家、国内の不動産会社、J-REIT、私募ファンドによる大型物件の取得事例が見られた。

 

2. 外部成長

当期(第13期)中に1物件『Landport青梅Ⅲ(取得価格17億円)』を取得し、『NMF宇都宮ビル(譲渡価格27.2億円)』、『駿台あざみ野校』を譲渡した。

この結果、当期末(2022年2月末日)時点において保有する物件は298物件(取得価格合計1兆590億円)、東京圏への投資比率は83.2%、総賃貸可能面積は2,166,470.21㎡となった。

 

3. 内部成長

各セクターにおける新型コロナウイ ルス感染症拡大に係る影響には違いが見られる。一部の商業系テナントに関して、新型コロナウイルス感染症の再拡大と緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出に伴う休業対応等に対する支援として、賃料の減免(65百万円)等を行ったが、ポートフォリオ全体の収益に対しては限定的な影響にとどまった。また、オフィスセクターや賃貸住宅セクターにおいてはマーケット全体として空室率上昇や募集賃料低下といった動きが継続したが、マーケット動向を踏まえた適切かつ柔軟なリーシング活動と、テナントの契約更改時の賃料増額による内部成長を通じて安定収益の確保を目指した運用を継続した。

この結果、当期末の稼働率は前期末比で0.6%上昇し98.7%となった。

 

4. 資金調達の概要

当期において、本投資法人は、返済期限を迎えた有利子負債300.25億円のリファイナンスを実施した。

この結果、当期末時点の有利子負債残高は5,177億円となり、LTVは43.6%となった。

 

主要指標(決算説明資料より抜粋)

野村不動産マスターファンド投資法人決算説明会拾い読み

野村不動産マスターファンド投資法人決算説明会拾い読み

野村不動産マスターファンド投資法人決算説明会拾い読み

インタビュー記事一覧
記事一覧に戻る
* 当サイトはJ-REIT(不動産投資信託)の情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としておりません。
* 当サイトの情報には万全を期しておりますがその内容を保証するものではなくまた予告なしに内容が変わる(変更・削除)することがあります。
* 当サイトの情報については、利用者の責任の下に行うこととし、当社はこれに係わる一切の責任を負うものではありません。
* 当サイトに記載されている情報の著作権は当社に帰属します。当該情報の無断での使用(転用・複製等)を禁じます。
J-REIT情報open
記事・ニュースopen
ETFopen