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決算情報拾い読み 野村不動産マスターファンド投資法人
2021年8月期(第12期)決算説明資料
今回取り上げるのは、2021年10月13日に開示された野村不動産マスターファンド投資法人(以下NMF)の12期(2021年8月期)決算説明資料です。
資産運用会社は、野村不動産株式会社の100%子会社である野村不動産投資顧問株式会社にて、NMFは2015年10月に上場しています。
ポートフォリオ投資方針等
投資クライテリアと立地
物流施設、商業施設、オフィス、居住用施設その他様々な用途の施設(不動産を除く不動産等及び不動産対応証券の裏付けとなる不動産を含む。)に投資する。三大都市圏(首都圏、中京圏及び近畿圏)を中心として政令指定都市を含むその他 主要都市又はその周辺地域を主たる投資対象地域とし、地域的分散は、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)を75%以上、中京圏(愛知県、岐阜県、三重県)、近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)その他の都市を25%以下とする。
第12期のトピックス
1.投資環境
(不動産賃貸マーケット)
当期の不動産賃貸マーケットについては、前期同様セクター毎に状況が異なっている。
オフィスセクターは、東京都においては新型コロナウイルス感染症の影響に伴う景気後退不安やテレワークの拡大を受けてオフィス需要が減退し、前期に引き続き空室率の上昇や募集賃料の低下が見られた。地方都市においても空室率の上昇が見られたものの、東京に比べテレワークの実施率が低いことなどにより概して空室率の上昇や募集賃料の低下は緩やかとなった。
商業施設セクターは、小売業についてはスーパーマーケットやドラッグストアを中心に底堅い動きが継続しているものの、新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出を受けて飲食業を中心に売上が厳しい状況が続いた。
物流施設セクターは、主要テナントであるサード・パーティー・ロジスティクス(3PL)や、eコマース関連事業者の需要が引き続き強く、全体として安定したパフォーマンスとなった。首都圏や近畿圏では物流施設の大量供給が継続しているが、旺盛な需要により空室率は低い水準を保った。
賃貸住宅セクターは、東京都は高い稼働率を保っているが、テレワークの普及に伴う転出者の増加や雇用環境の悪化に伴う転入者の減少により、2021年3月及び4月は転入超過となったものの、2020年7月以降転出超過の傾向が継続した。
ホテルセクターは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、稼働率の低迷が継続した。
(不動産売買マーケット)
2021年前半の商業用不動産の売買高は前年同期比でほぼ横ばいとなった。コロナ禍で業績が悪化した企業による売却事例が見られる一方で、引き続き海外投資家による大型物件の取得事例が見られた。
2. 外部成長
当期(第12期)中に1物件(ユニバーサル・シティウォーク大阪(底地)(追加取得)(取得価格21.39億円))を取得した。
この結果、当期末(2021年2月末日)時点において保有する物件は299物件(取得価格合計1兆684億円)、東京圏への投資比率は82.8%、総賃貸可能面積は2,106,273.85㎡となった。
3. 内部成長
一部の商業系テナントに関して、新型コロナウイルス感染症の再拡大と緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出に伴う休業対応等に対する支援として、賃料の減免(2.8億円)等を行ったが、ポートフォリオ全体の収益に対しては限定的な影響にとどまった。また、オフィスセクターや賃貸住宅セクターにおいてはマーケット全体として空室率上昇や募集賃料低下といった動きも見られ、本投資法人が保有する物件においても解約数の増加や新規募集期間の長期化等の影響があったが、マーケット動向を踏まえた適切かつ柔軟なリーシング活動と、テナントの入替え時や契約更改時の賃料増額による内部成長を通じて安定収益の確保を目指した運用を継続した。
この結果、当期末の稼働率は前期末比で0.7%下落し98.1%となったが、引き続き高い水準を維持している。
4. 資金調達の概要
当期において、本投資法人は、返済期限を迎えた有利子負債286億円のリファイナンスを実施した。
この結果、当期末時点の有利子負債残高は5,178億円となり、LTVは43.3%となった。
主要指標(決算説明資料より抜粋)