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決算情報拾い読み アドバンス・レジデンス投資法人
2021年7月期(第22期)決算説明資料
今回取り上げるのは、2021年9月16日に開示されたアドバンス・レジデンス投資法人(以下ADR)の22期(2021年7月期)決算説明資料です。
資産運用会社は、伊藤忠商事グループが株主であるADインベストメント・マネジメント株式会社にて、ADRは日本レジデンシャル投資法人と旧アドバンス・レジデンス投資法人が、2010年3月1日付で新設合併し誕生しました。
ポートフォリオ投資方針等
ポートフォリオ戦略等
投資クライテリアと立地
ADRは、居住用住宅を投資対象とする住宅特化型J-REIT。東京23区(投資比率70%以上)を中心に、首都圏、政令指定都市等の物件に投資する。住戸タイプはシングルタイプ(50%以下)を中心に、コンパクトタイプ、ファミリータイプ(それぞれ20~40%)、ラージタイプ(10%以下)と分散を図り、20%を上限としてドミトリータイプも保有する。
第22期のトピックス
1.投資環境
不動産売買市場
低金利が続く中、国内不動産の利回りは世界的にも高く、割安と見る海外投資家の需要が旺盛で、不動産価格は引き続き高値圏で推移した。
賃貸住宅市場
東京都の人口動態は、2021年3月及び4月は転入超過となったものの、5月から7月は転出超過となり、都心の賃貸住宅の需要減少による稼働率の低下が懸念されるが、COVID-19のワクチン普及とともに企業業績の回復が進めば東京都への人口流入が正常に戻り、稼働率の上昇に寄与するものと考えている。また、日本の2021 年1~3月の実質GDPは前期比△1.0%と景気回復に時間を要しており、新規契約賃料の上昇幅においても限定的となっている。
2. 内部成長
- 募集条件緩和で稼働率下落を抑制 -
当期、繁忙期の3月においては主に法人の転勤需要を取り込んだことにより稼働率97.0%を達成したものの、4,5月に増加した解約の埋め戻しが難航し、例年よりも稼働率の低下幅が大きくなったため、6,7月は、主に都心の単身者向け住戸の募集条件を緩和することにより稼働率の回復に努めた。その結果、期中平均稼働率 は95.9%(前年同期比△0.7pt)となった。一方、都心部を含め、ファミリータイプの住戸については底堅い需要があり、新規契約賃料においては例年同水準で引き上げることができた。
上記募集条件の緩和と合わせて最終的に入替時賃料変動率は+1.3%となり、前期比+0.1ptとなった。
- バリューアップ工事実施による競争力強化を促進 -
本投資法人では、計画的に大規模修繕工事を実施し、保有物件の機能維持・意匠の改善を図っている。加えて、大規模修繕工事を行った物件を中心に、個別住戸についても、設備更新や間取り変更等を伴うバリューアップ工事をテナント入替時に実施することで、競争力の維持・向上に努めている。
大規模修繕工事は、当期3件(工事金額税抜 1.75億円)実施した。また、バリューアップ工事については、計37件(工事金額税抜 1.68億円)実施することができた。バリューアップ工事を実施した住戸のうち、2021年7月31日までに新たな賃貸借契約が締結された13戸では、前契約賃料に対して、賃料を平均約27.7%引き上げることができ、コロナ禍においても、従前同様、バリューアップ工事が効果的に内部成長に寄与した。
本投資法人は、今後もこのような取組みを通じて、物件競争力の更なる強化を進めていく。
3. 外部成長
当期においては、「レジディア京都壬生」(取得価格:6億円)を取得した。
当期末現在における保有物件数と資産規模はそれぞれ272物件、4,592億円(取得価格合計)であり、住宅系 J-REIT最大となっている。
4. 資金調達の概要
当期においては、総額147億円(平均支払金利(注7) 0.34%、平均調達年数8.2年)の借入れ等を実施した。
これにより当期末現在の有利子負債は4,592億円、平均支払金利は0.66%となり、前期の0.69%から支払金利の低減を実現した。また、残存年数は 4.8年から4.9年に長期化し、財務基盤の一層の強化を図ることができた。
主要指標(決算説明資料より抜粋)