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決算情報拾い読み 平和不動産リート投資法人
2021年5月期(第39期)決算説明資料
今回取り上げるのは、2021年7月20日に開示されたた平和不動産リート投資法人(以下HFR)の39期(2021年5月期)決算説明会資料です。
資産運用会社は、平和不動産株式会社の100%子会社である平和不動産アセットマネジメント株式会社にて、HFRは2005年3月に上場しており、2010年10月にはジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併しております。
ポートフォリオ投資方針等
ポートフォリオ戦略等
HFRは、オフィスビル、レジデンスに投資する。例外的資産として、オフィスビル及びレジデンスの底地に投資することがある。投資地域は、東京23区を中心に東京・神奈川・埼玉・千葉の主要都市、及び仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡等の地方主要都市。
第39期のトピックス
1.投資環境
オフィスビル賃貸マーケット
三鬼商事株式会社の最新オフィスビル市況によれば、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスビルの平均空室率は、コロナ禍におけるテレワークの拡大や企業の先行き懸念による館内縮小や集約等に伴うテナントの解約の影響があったことに加えて、成約の動きが進まない状況が続いたこともあり、2020年3月以降15か月連続で上昇している。その結果、前期末の4.33%から当期末には5.90%と2015年6月以来の5%台に上昇した。一方、平均賃料については、2020年8月以降10か月連続で下落となり、前期末の22,223円/坪から当期末には21,249円/坪となった。新型コロナウイルス感染症の拡大によるオフィスビル市況への影響は顕在化しており、テナントの規模縮小、解約の動きが全国的に見られることから、市況の悪化の懸念感が増している。本投資法人の運用資産における稼働率は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けるも影響は限定的であり、依然として高水準を維持している。また、新規賃料、継続賃料ともに賃料増額改定を維持しており、コロナ禍においても平均賃料単価は緩やかな上昇基調を継続している。
レジデンス賃貸マーケット
アットホーム株式会社によれば、2021年5月の全国主要都市(首都圏1都3県、仙台市、名古屋市、大阪市、福岡市の9エリア)のマンション平均募集家賃は、30㎡以下の面積帯で下落が目立ち、神奈川県・千葉県を除く7エリアで前年同月を下回りましたが、70㎡超の面積帯では上昇傾向が続き、東京都下・神奈川県・名古屋市・福岡市において2015年1月以降最高値を更新した。また、2021年5月の「建築着工統計 調査報告」によると新設住宅着工戸数(貸家)は、2021年2月まで30ヵ月連続で減少傾向が続いたが、2021年3月に増加に転じ3ヵ月連続で増加した。前期に引き続き供給は落ち着いており、需給動向は安定的に推移したが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い入居数が減少しており、賃貸住宅の需要はやや弱含んだ状況がみられる。本投資法人の運用資産における稼働率は各種施策を講じたことで期中において安定的に推移した。また、景況悪化による影響は限定的であり、短期的な運営への影響は軽微と考える。
不動産市況
2021年3月に発表された2021年1月1日時点の地価の公示価格においては、三大都市圏では全用途平均、住宅地・商業地は2013年以来8年ぶりに下落となり、工業地は7年連続で上昇したものの上昇率が縮小した。また、地方圏でも同様に全用途平均、住宅地・商業地は下落に転じ、工業地は上昇したものの上昇率が 縮小しました。本投資法人が投資対象と考えている地方における政令指定都市についても、住宅地、商業地 ともに上昇幅の縮小又は上昇から下落への転化となり、弱含んだ状況がみられる。 新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明感から需要が弱まり、総じて上昇幅の縮小、上昇から下落への転化となったと見られるが、事態は長期化しており今後も不動産市況の動向を注視していく必要があると思われる。
2. 外部成長
本投資法人は、ポートフォリオの収益性の改善及び質の向上を目的とし、2020年12月17日付でオフィス1物件(Of-46 東菱ビルディング(不動産、取得価格:25.01億円))、2021年3月24日付でレジデンス2物 件(Re-93 HF博多東レジデンスⅡ(不動産、取得価格:11.98億円)、Re-94 HF福岡レジデンスEAST(不動産、取得価格:11.18億円)を取得し、2021年1月22日付でレジデンス1物件(Re-37 HF高 輪レジデンス(信託受益権、取得価格:7.49億円))を売却した。また、2021年3月19日付でOf-38 アクロス新川ビル(信託受益権、取得価格:5億円)を追加取得し、建物保有割合を34.51%とし、2021 年3月23日付でOf-45 兜町ユニ・スクエア(信託受益権、取得価格:14.8億円)を追加取得し、1棟完全所有とした。
この結果、当期末時点での運用資産は、オフィス33物件(取得価格の合計:829億円)、レジデンス76 物件(取得価格の合計:1,012億円)の合計109物件(取得価格の合計:1,841億円)となっている。
3. 内部成長
本投資法人は、従来から稼働率の維持向上に注力することにより、収益の向上に努めて参ったが、当期においても、空室期間の短縮化に努めたテナントリーシング活動及びテナントニーズや物件毎の特性を踏まえた計画的なバリューアップ投資に取り組んだ。こうした取組みによって物件の競争力の維持向上に努めた成果もあり、全運用資産合計の稼働率は、当期末時点で97.4%となり、前期末時点の97.9%から期中を 通じて高稼働で安定的に推移させることができ、期中月末平均稼働率は97.5%と高水準となった。
4. 資金調達の概要
2020年11月無担保投資法人債(発行総額:15億円)を発行し、その調達資金を原資として決算期後の2020年12月に借入金の期限前返済を行い、物件取得資金調達のために、借入を実施。
当期末時点での有利子負債額は、880億円(期末総資産有利子負債比率:46.11%)となった。
主要指標(決算説明資料より抜粋)