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決算情報拾い読み ジャパンエクセレント投資法人
2020年12月期(第29期)決算説明会資料
今回取り上げるのは、2021年2月17日に開示されたジャパンエクセレント投資法人(以下JEI)の29期(2020年12月期)決算説明資料です。
資産運用会社は、日鉄興和不動産(出資比率54%)、第一生命株式会社(出資比率26%)が出資するジャパンエクセレントアセットマネジメント株式会社にて、JEIは2006年6月に上場しております。
ポートフォリオ投資方針等
ポートフォリオ運用基準 (決算説明資料より抜粋)
<用途比率>
<エリア比率>
第29期のトピックス
1.投資環境
不動産売買市場においては、資金調達環境に変調の兆しが見られない中、市場参加者の投資意欲は引続き 強く、取引価格は高止まりの状況が継続している。 オフィスビル賃貸市場については、三鬼商事株式会社が公表した都心5区の空室率は上昇傾向にあり、2020年12月末の空室率は4.4%と2020年6月末に比べて2.5%上昇した。また平均賃料単価は2020年7月 以降低下に転じ、2020年12月の同賃料は2020年6月に比べて3.9%低下した。
オフィス市場の見通しについては、以下の通り。
景気悪化によるオフィス需要の減退やテナントの賃料負担力の低下等を受けて、空室率は緩やかに上昇、新規成約賃料は弱含みの動きとなるものの、新規 オフィスの供給量減少、ワクチン対応等によるコロナ問題への期待感、企業業績の底打ち観測等から、悪化幅はリーマンショック時に比べマイルドと予想。
リーシングについては、空室の発生による選択肢の増加や賃料低下期待等から企業側の様子見姿勢が強まっており、引き続き厳しい状況が継続。
大企業のリモートワークに係る具体的な動きは徐々に顕現化する見通しであり、今後の動向を注視する必要。他方、新しいオフィスの在り方に関する考え方 (ソーシャルディスタンスの考慮、共有スペースの活用等)が徐々に明らかになるにつれ、オフィス市場に対する先行き不透明感が払拭されていく可能性。
2. 新型コロナウイルスの影響(決算説明資料より抜粋)
3. 外部成長
当期は、第27期及び第28期に一部譲渡を行ったJEI西本町ビルの残りの15%を7月に売却し、ポートフォリオの質的改善に目途を付けた結果、2020年12月末時点における保有資産残高は34物件、2,723億円(取得価格ベース)となっている。
4. 内部成長(決算説明資料より抜粋)
5. 資金調達の概要
当期は、第27期及び第28期に一部譲渡を行ったJEI西本町ビルの残りの15%を7月に売却し、ポートフォリオの質的改善に目途を付けるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大による不透明感への備えとして 手元流動性を高めている。また、9月には返済期限の到来したグリーンローン20億円をJ-REITとしては初めてとなるサステナビリティローン(返済期間2年、20億円)により借換えを実施した。さらに、10月 には投資法人債の市場が良好な環境にあったことから、償還期間15年のグリーンボンドとしては、J-REIT過 去最大規模となる50億円を0.75%で発行し、その調達資金を活用して、短期借入金50億円を期限前弁済した。
これらの結果、当期末における有利子負債平均残存期間は4.6年(対前期末比0.1年長期化)、期平均有利子負債金利は0.77%(対前期末比0.02%上昇)、総資産有利子負債比率(総資産LTV)は42.7%(対前期末比0.1%低下)となった。
主要指標(決算説明資料より抜粋)