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決算情報拾い読み 平和不動産リート投資法人
2020年11月期(第38期)決算説明会資料
今回取り上げるのは、2021年1月20日に開示されたた平和不動産リート投資法人(以下HFR)の38期(2020年11月期)決算説明会資料です。
資産運用会社は、平和不動産株式会社の100%子会社である平和不動産アセットマネジメント株式会社にて、HFRは2005年3月に上場しており、2010年10月にはジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併しております。
ポートフォリオ投資方針等
ポートフォリオ戦略
HFRは、オフィスビル、レジデンスに投資する。例外的資産として、オフィスビル及びレジデンスの底地に投資することがある。投資地域は、東京23区を中心に東京・神奈川・埼玉・千葉の主要都市、及び仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡等の地方主要都市。
第38期のトピックス
1.投資環境
オフィスビル賃貸マーケットについて三鬼商事株式会社の最新オフィスビル市況によれば、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷 区)のオフィスビルの平均空室率は低い水準で維持していたが、コロナ禍におけるテレワークの拡大や 企業の先行き懸念による館内縮小や集約等に伴うテナントの解約の影響があったことに加えて、成約の動きが進まない状況が続いたこともあり、2020年3月以降9か月連続で上昇している。その結果、前期末の1.64%から当期末には4.33%と2016年6月以来の4%台に上昇した。一方、平均賃料については、2020 年7月には23,000円/坪を上回るなど上昇傾向を維持していたが、2020年8月以降は4か月連続で下落 となり、前期末の22,836円/坪から当期末には22,223円/坪となった。 新型コロナウイルス感染症の拡大によるオフィスビル市況への影響は顕在化しており、テナントの規模縮小、解約の動きが全国的に見られることから、市況の悪化が加速するとの懸念が深まった。
レジデンス賃貸マーケットについてアットホーム株式会社によれば、2020年11月の首都圏のマンション平均募集家賃は、東京23区(30㎡以下を 除く)・神奈川県・埼玉県・名古屋市のいずれにおいても前年同月を上回っているが、東京23区(30㎡以下)は前年同月を下回っており、5か月連続の下落となった。新設住宅着工戸数(貸家)は、同年11月の「建築着工統計調査報告」によると前年同月比27ヵ月連続で減少しており、前期に引き続き供給は落ち着 いて推移したが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い入居数が減少しており、賃貸住宅の需要はやや弱含んだ状況がみられる。HFRの運用資産においても、稼働率は期中において一時的に低下したものの、各種施策を講じたことで期末には高水準まで向上させた。また、景況悪化による賃料変動率も小さいことから、その影響は限定的であり、短期的な運営への影響は軽微と考えている。
不動産市況について2020年9月に発表された2020年7月1日時点の都道府県地価調査によれば、東京圏、大阪圏及び名古屋圏の三大都市圏の全用途平均は2013年以来7年連続上昇を続けていたが横ばいとなり、その内訳として、住宅地は2013年以来7年ぶりに下落に転じ、商業地・工業地は上昇を継続したが、上昇幅は縮小した。一方で地方圏(三大都市圏を除く地域)については、住宅地は下落幅が拡大しており、商業地は2018年以来2年ぶりに上昇から下落に転じた。HFRが投資対象と考えている地方における政令指定都市については、住宅地、商業地ともに上昇が継続したが、上昇幅が縮小した。新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明感から需要が弱まり、総じて上昇幅の縮小、上昇から横ばい又は下落への転化となったと見られるが、事態の長期化も確実であることから今後も不動産市況の動向を注視していく必要があると思われる。
2. 外部成長
2020年9月にレジデンス1物件(Re-92 HF大濠レジデンスBAYSIDE(取得価格:11.5億円))を取得し、2020年 8月レジデンス1物件(Re-44 HF梅田レジデンスTOWER(取得価格:19.2億円))を売却した。
この結果、当期末時点での運用資産は、オフィス32物件(取得価格の合計:784.2億円)、レジデンス75 物件(取得価格の合計:996億円)の合計107物件(取得価格の合計:1780.2億)となっている。
3. 内部成長
空室期間の短縮化に努めたテナントリーシング活動及びテナントニーズや物件毎の特性を踏まえた計画的なバリューアップ投資に取り組んだ。こうした取組みによって物件の競争力の維持向上に努めた成果もあり、全運用資産合計の稼働率は、当期末時点で97.9%となり、期中月末平均稼働率は96.1%となった。オフィスの稼働率は期中において比較的安定的に推移し、レジデンスの稼働率は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり4月以降稼働率が下降し、8月には93.6%まで低下したが、11月には 97.8%まで回復させることができた。
4. 資金調達の概要
2020年11月無担保投資法人債(発行総額:15億円)を発行し、その調達資金を原資として決算期後の2020年12月に借入金の期限前返済を実施。当期末時点での有利子負債額は、861億円(期末総資産有利子負債比率:45.61%)となった。
主要指標(決算説明資料より抜粋)