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2020年12月21日

決算情報拾い読み ケネディクス・オフィス投資法人

2020年10月期(第31期)決算説明会資料

   今回取り上げるのは、2020年12月15日に開示されたケネディクス・オフィス投資法人(以下KDO)の31期(2020年10月期)決算説明会資料です。
   KDOの資産運用会社は、ケネディクスグループのケネディクス不動産投資顧問株式会社。 KDOは、2005年7月に上場しています。

 

ポートフォリオ投資方針等

ポートフォリオ戦略
1.中規模オフィスビル中心
   KDOは、「中規模オフィスビルを中心とした強固なポートフォリオを構築すること」を目標として、「中規模オフィスビルのNo.1 J-REIT」となるべく、資産の拡大を目指している。重点的に投資する中規模オフィスビルとは、建物規模による投資基準「延床面積1,000㎡以上、基準階占有面積150㎡以上」に相当する別件であり、都心5区における投資法人の保有物件では延床面積500坪から3,000坪の物件が大半を占める。
   中規模オフィスビル80%以上を投資することを目標とするほか、大規模オフィスビルを含む中規模オフィスビルに該当しないオフィスビル等についても20%以下の範囲で取得してゆくことを目標とすることで、ポートフォリオの安定化を目指している。

中規模オフィスビル市場の特徴と魅力は、
   ①大規模オフィスビルに比べ物件数が多いことから、潜在的な売買対象物件が相対的に多い。
   ②物件の売買価格が10億円から100億円程度の水準であることから、大規模オフィスビルに比べ取引参加者が多く、相対的に売買が活発であるため流動性が高い。
   ③入居テナントの典型例を1フロアの専有面積100坪から150坪前後を利用する従業員30名程度の企業として捉えており、厚みのあるテナント層による比較的安定した賃料収入が見込める。

2.東京経済圏中心
   経済活動が高密度に集積し、テナント需要が最も厚いマーケットと見込まれる東京経済圏に所在する中規模オフィスビルを中心とした優良物件で、安定性の高いポートフォリオの構築を目指している。また、一定程度の資産を地方経済圏に保有することで、立地条件、テナント構成の分散を図っている。

第31期のトピックス

1.投資環境
   オフィスビル賃貸市場については、都心5区を中心に稼働率、賃料水準共に高い水準を維持していたが、 コロナ禍におけるテレワークの拡大や企業の先行き懸念による固定費の見直し等から減床・縮小等がみられるようになった。
   オフィスビルの売買市場については、新型コロナウイルス感染症拡大により、上場不動産投資法人 (J-REIT)や不動産会社等国内投資家や海外投資家による物件売買件数は減少しているものの、優良な中規模 オフィスビルの売却情報は引き続き少なく、限られた売却案件に投資家が集中していること、金利動向も低位 安定が継続していることから、期待利回りは低水準で推移しており大きな変化は見られない。

2.新型コロナウイルス感染症の影響

ケネディクス・オフィス投資法人決算説明会拾い読み

3. 外部成長
   KDOは、前期末(2020年4月30日)時点で、合計99物件(取得価格の総額4,328億円)の運用資産と匿名組合出資持分(当初出資金額11億円)を保有していた。当期(2020年10月期)においては、オフィスビル1物件(新橋M-SQUARE Bright:取得価格163億円)を取得し、2物件(KDX日本橋本町ビル:取得価格40億円、KDX日本橋江戸通ビル:取得価格13.5億円)を譲渡(譲渡価格の総額65.5億円)。その結果、当期末(2020年10月31日)現在のポートフォリオ(匿名組合出資持分を除く。)は、合計98物件(取得価格の総額4,437億円)となり、取得価格に基づく用途毎の割合は、オフィス ビル99.4%、その他0.6%となっている。

4. 内部成長
   25期(2017年10月期)以降期中平均稼働率は99%を超えていたが、31期(2020年10月期)は、98.5%となり、次期32期(2021年4月期)は95.7%、次々期33期(2021年10月期)は94.6%を予想する。これは、21期(2015年10月期)の94.7%以来の低水準。
   テナント入替時の賃料単価は、29期(2019年10月期)をピークに減少傾向にあり、増賃幅は大きく減じながら、減賃先も見え始めてきた。
   レントギャップについては、21期(2015年10月期)の▲0.6%から拡大を続けていたが、今期は▲5.6(前期▲9.3)と縮小に転じ、今後賃料の増収額は減少傾向にあることを示している。

5. 資金調達の概要
   KDOは、有利子負債の返済期限を分散することにより、リファイナンスリスクを軽減することを目指している。当期においては期中に返済期日が到来した借入金111億円の返済資金として同額の借入れを行うと共に、物件の取得に際し、新たに98億円の借入れを行っている。また、グリーンボンドによる調達資金10億円により、同額の期限前弁済を行っている。 その結果、当期末現在で借入金残高は1,907億円、投資法人債残高は110億円、有利子負債残高は2,017億円となっている。

 

主要指標(決算説明資料より抜粋)

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