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2017年03月28日

三井不動産、ららぽーと初の海外展開は上海で

3月21日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

3月21日、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)より2件の事業展開発表があった。

まず1件目は、商業施設「ららぽーと」の海外初展開である。
発表によると、ららぽーと初の海外展開先となるのは中国の上海、その中でも企業集積地への近さと交通インフラの整備が相まって商業施設と住居の開発が急速に進んでいる自由貿易試験区金橋片区。
計画では、そこの敷地約4.3万㎡に上海金橋出口加工区連合発展有限公司が地下2階、地上11階、延床面積約14.6万㎡(商業部分約12.9万㎡、オフィス部分約1.7万㎡)の建物を建設し、商業施設を三井不動産グループが一括借上げして「(仮称)三井ショッピングパーク ららぽーと上海金橋」として運営する。当該建物の開発は準備工事が発表と同じ21日付で始まっており、本体工事は5月から開始予定となっている。工事が順調に進めば2020年に開業する予定だという。
なお三井不動産は海外の経済成長を取り込む一環として商業施設のアジア圏展開を進めており、「ららぽーと」ブランドでは、今回の案件以外に、台湾やマレーシアでの2021年開業が予定されている。

2件目は、三井不動産レジデンシャル株式会社(以下、三井不動産レジ)の学生寮事業参入である。
少子化によって若年層人口自体は減少傾向にあるものの、大学進学率の着実な上昇や大学の都心回帰、外国人留学生の増大を背景に学生向け住宅の需要は堅調な状態にある。これを受けて内外の不動産企業による学生寮事業への参入、物件開発、J-REITによる学生寮取得といったニュースも目にする機会が増えている。そこに今回新たな参入者として三井不動産グループが加わった形である。
発表によると、三井不動産グループにとって学生寮事業第一弾となる物件「カレッジコート平和台」(東京都練馬区 全179室)は既に竣工済みで4月1日から入居が開始される。さらにまた東京都豊島区高田でも第2弾物件(約500室)の建設が進行中だという。
翌22日には、伊藤忠都市開発株式会社が学生寮事業の第一弾物件「クレヴィアウィル武蔵小杉」(神奈川県川崎市 全390室)の竣工と入居開始を発表した。底堅さと安定的な成長を見込める学生寮需要を巡り、企業の競争は今後更に熱を帯びてくるものと見られる。

物件動向

3月21日週の物件動向だが、主なものとして以下の2件の発表があった。いずれも関東圏での物流施設開発である。

a.茨城県古河市:「プロロジスパーク古河3」計画
3月21日、プロロジスが古河市でのBTS型物流施設「プロロジスパーク古河3」を開発すると発表した。
開発計画によると、圏央道「五霞IC」から約6kmの敷地約3.5万㎡に、地上2階建ての物流施設1棟と平屋建ての危険物倉庫2棟を建設するという。7月に着工して1年後に竣工を迎える予定。
テナントは既に確定しており、プロロジスとの継続的な取引相手である国内大手物流企業が竣工後に入居するという。
b.埼玉県春日部市:「(仮称)春日部物流センター」計画
3月22日、三菱UFJリース株式会社、東急不動産株式会社、ケネディクス株式会社(以下、それぞれ三菱UFJリース、東急不動産、ケネディクス)が共同で進めている大型マルチテナント型物流施設開発計画の着工を発表した。
当該開発計画は、東埼玉道路「庄和IC」建設予定地に近い約1.8万㎡の敷地に、地上4階建、延床面積約3.9万㎡の大型マルチテナント型物流施設を建設するというもので、竣工は2018年2月を見込んでいる。
今回の案件に名を連ねている3社のうち、三菱UFJリースとケネディクスはこれまでにも資金調達や物件開発・運営等で物流施設事業に携わってきた会社だが、東急不動産は今回が初めての物流施設事業参画である。東急不動産は昨年後半以降、REIT資産の運用を担当する子会社の統合、学生寮事業への参入、機構改革による業務再編と変革の動きを活発化させている。この「(仮称)春日部物流センター」開発参画もその延長線上の動きだと見られるが、そうした数々の試みが実を結ぶか注目される。
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